【サンフランシスコ発】米IBMは2月11日(米国時間)、グローバルのビジネスパートナーを対象にした年次イベント「PartnerWorld at Think 2019」をサンフランシスコで開催し、パートナーエコシステムの責任者を務めるジョン・テルチ・ゼネラルマネージャーが、2019年の販売チャネル向け支援策を説明した。

ジョン・テルチ
ゼネラルマネージャー

 ハイブリッド・マルチクラウドやWatson AIといった同社の戦略領域でサービスが充実したため、新たにIBMとのビジネスを開始したいと考える企業が増えており、昨年は世界で9000社が新規パートナーに加わったという。このパートナー網をエコシステムとして有効に機能させていくため、パートナー向けのツールやインセンティブを、より活用しやすいものにしていく。

 テルチ氏はパートナー企業を前にして「24カ月前、私たちはあまりうまくいっていなかった。このことをご存じの方も多いと思う」と述べ、同氏が現職に就いた時点では、パートナープログラムが期待通りに機能していなかったことを認めた。クラウドやWatsonのビジネスに軸足を移すため、IBMは17年に新たなパートナープログラムを導入した。パートナーのスキルに応じてインセンティブを支払うモデルへの転換を図ったが、プログラムの複雑化を招き、パートナーからは収益向上の道筋が見えにくくなっていた。テルチ氏はパートナー責任者となった17年夏以来、パートナー各社の意見に耳を傾けてきたことを強調。「売上高や市場シェアも大事だが、パートナーの満足度が、ビジネスがうまく回っていることの何よりの指標になる」と述べた。

 今回のイベントに合わせて発表されたのが、パートナー間のマッチングを図ることを目的とした「ビジネス・パートナー・コネクト」と呼ぶ仕組みだ。このプログラムに参加したパートナー各社のプロフィールをWatsonが分析し、共同ソリューションの開発や、他のIBMパートナーが提供する製品やサービスの再販を希望するパートナー同士を結び付ける。800社のパートナーが参加したパイロット版では、約300件の新たな協業がパートナー間で生まれたという。

 また、ソフトウェア製品のSaaS化を推進するため、SaaS用の案件登録プログラムを用意する。新たな見込み案件を発掘したパートナーは、IBMからより早く割引価格の提示を受けることができ、他のパートナーと顧客を取り合うような競合を避けることができる。また、顧客のSaaS契約がより長期にわたって維持されるよう、ネットプロモータースコア(NPS、顧客推奨度)の計測ツールを提供する。SaaSに関するこれらの施策は1月に北米で開始しており、7月にグローバルへ拡大する予定。このほか、商談に利用できるプレゼンテーション資料、事例集、ニュースなどをまとめたキット「Seismic@IBM」の開発や、トレーニングプログラムの充実を図り、パートナーのスキル向上に関しても投資を強化していく。(日高 彰)