JBCCホールディングス(JBグループ)代表取締役社長に4月1日付で就任した東上征司氏は本紙単独インタビューに応じ、「アジャイル開発」と「クラウドネイティブ」をキーワードとした収益重視のSI事業を引き続き推し進めていく考えを示した。JBグループの中核事業会社でSI事業を担うJBCCの営業利益は、2019年3月期で19四半期連続で増益を更新できる見込み。一つ一つの案件規模は小さくなる傾向があるものの「収益力は高まることが実証できた」と、手応えを感じている。JBグループ全体でも5期連続増益の見通しを示す。

東上征司
社長

 アジャイル開発はJBグループならではの解釈を加えて運用する。具体的には、ユーザー企業の情報化投資に優先順位をつけ、順位の高い案件からアジャイル方式で開発。情報化プロジェクトを小分けにすることで、「従来の半分以下の期間と予算で“成果”を出す」ことを重視している。開発ツールは自社で開発してきた上流工程支援ツール「Xupper(クロスアッパー)」と、ウルグアイの超高速開発ツール「GeneXus」を主に活用している。

 一方、クラウドネイティブは、ユーザー企業の事業部門のニーズを掘り起こす手法として積極的に取り入れている。例えば、サイボウズの業務改善プラットフォーム「kintone」を使い、その場でプロトタイプをユーザーに示す。システム開発プロジェクトの管理ノウハウを持ち合わせていないユーザー企業の現場スタッフを相手にしても、kintoneベースの開発であれば「非常に安いコストで試行錯誤を繰り返し、ユーザーがイメージしているものに近づけることが可能になる」と話す。

 従来のウォーターフォール型の開発手法や、オンプレミス(客先設置)型のシステムでは、全体の投資計画をまとめてから開発・構築に着手するケースが多く、それだけ多額の初期投資がかかったり、プロジェクト期間が長期化することが課題だった。

 基幹業務システムを担うユーザー企業の情報システム部門に向けては、JBグループならではのアジャイル開発で、プロジェクトの優先順位をつけ、できる限りコンパクトに切り出すことで、成果を出すまでの期間を大幅に短縮。また、ユーザー企業の事業部門に向けては、現場が漠然とイメージする「ほしいもの」をクラウドネイティブ開発によって的確に具現化する。アジャイル開発では累計100社余り、クラウドネイティブは累計約50社、100プロジェクト余りの実績を積んできた。これがSIビジネスの利益増の原動力となっている。

 東上社長は、今年度からJBグループの中核事業会社JBCCの社長と兼務するかたちでグループ全体の経営を担う。これまで東上社長と山田隆司前社長(現代表取締役会長)と二人三脚で進めてきた利益重視の施策を継続させていくことで、増益記録を更新していく構えだ。(安藤章司)