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コストを抑えシームレスな自動化 RPAを含む統合プラットフォーム提供へ――コファックス

2019/06/03 09:00

週刊BCN 2019年05月27日vol.1777掲載

 業務自動化ツールRPAなどを提供するコファックス(Kofax)は5月16日、新たなプラットフォームサービス「インテリジェントオートメーション(IA)」を発表した。競争が激化するRPA市場でKofaxは、RPAだけでなくOCRや電子署名機能などを統合することで企業の業務全体を自動化するアプローチをとる。同プラットフォームはKofaxが持つサービスの集大成であり、同社の目指す「エンドツーエンドの自動化」を実現する。

 IAは、「Kofax RPA」をはじめビジネスプロセスマネジメントやカスタマーコミュニケーションマネジメント、OCRなどの機能を統合したプラットフォーム。これらの機能が連携することで、アナログ文書のデータ化や、ビジネスプロセスの可視化、エンドユーザーへのアクションといったRPA単体では対応できない業務を効率化する。
 
クリス・ハフ
CSO

 米Kofaxのクリス・ハフCSOは「ここ10年間で、多くの組織がさまざまなテクノロジーを導入してきたが、結果としてシステムや人の分断が起きてしまった。IAは散在するシステムなどの結合組織となり、企業の価値創出を早める」とそのメリットを語る。それぞれの機能を異なるベンダーから導入するよりも、同一ベンダーによる統合されたプラットフォームを導入する方が、総コストを抑えつつシームレスな自動化が可能になるのだという。

 また、IAに含まれない機能については、625社のパートナーなどによるIPをマーケットプレイスから提供することで補完する計画を示した。チャットボットや音声アシスタントなどとの連携が可能で、システムをカスタマイズする際の負担を軽減する。KofaxとしてもUI/CXの向上や自然言語処理・AI対応などのアップデートに取り組んでいくものの、エコシステム全体でプラットフォームの価値向上に努める方針だ。

 IAの提供は7月初旬を予定している。同時に、RPAのロボット数に制限がある以外は有償版と同じ機能を持つ無償の「スターターパック」を、12カ月の期間付きで提供する。これにより、新規ユーザーの獲得だけでなく、個別で機能を活用している既存ユーザーのスケールアップにもつなげたい考えだ。

 ハフCSOは「IAのターゲット層はエンタープライズからSMBまで幅広い。特に非構造化データを扱うことが多いSMBには、OCRなどの機能にメリットを感じてもらえる」と指摘。その上で、日本市場の展開については「知見のあるパートナーを介してビジネスを進めることでエンタープライズからSMBまでをカバーできる」との見方を示した。RPA単体の導入でも綿密な業務分析が必要であり、複数機能を持つプラットフォームとなるとその重要性はさらに増す。そのため、ユースケースごとに適切なパートナーを選定し、協力体制を強めていく。(銭 君毅)
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