クラウドストレージサービス「Box」の導入が増えている。コロナ禍の在宅勤務需要が主な要因。ボックスジャパン(古市克典社長)では、今後も働き方の多様化が進むとみており、さらなる導入拡大に向けて、Boxを使った「コンテンツを動かさない」働き方の提案に力を入れる方針を示した。

 9月25日の記者説明会で、同社の三原茂・執行役員マーケティング部部長は「企業が業務上必要な情報は、アプリケーションをまたいでいる。アプリごとにファイルなどを管理すると必ずサイロ化する」とし、「ファイルなどをAPI越しでBoxに入れておけば、ファイルはすべてBoxの高機能を使って管理することが可能になり、コンテンツ・コラボレーション基盤としてBoxを活用できる」と話した。

 新型コロナウイルスの影響については、企業の働き方が変化したことで、Boxの導入は堅調に推移していると説明した。今年7月時点の国内の導入社数は、今年1月比で1400社増の約7300社で、伸び幅は二桁台になっているとした。

 三原部長は、ニューノーマル(新常態)時代のコンテンツ管理の在り方について「セキュリティを保ち、かつ効率よく仕事をするためには、人から人へコンテンツを動かすのではなく、コンテンツに人もアプリもアクセスできるようにすることが重要だ」と説いた。

 コンテンツ中心でビジネスプロセスを自動化するツールとして、同社は「Box Relay」を提供している。西秀夫・執行役員ソリューションエンジニアリング部部長は、「4月の緊急事態宣言後、企業の在宅勤務の開始に伴って活用が急速に加速した」と紹介。従業員3000人規模の製造業の事例を示し「以前は月初にいくつかの活用がある状況だったが、在宅勤務が始まると、ユーザーが文書のフローなどを一気にBox Relayで回し始め、その結果、在宅勤務をスムーズに開始できた」と語った。この企業では、以前は決済や確認に紙と印鑑を使っていたが、「ハンコリレーが必要な文書のフローをBox Relay上で実現し、どうしてもハンコを押すために出社しないといけない難しさを突破することができた」という。

 これまでのワークフロー製品は、一般的に要件定義から利用開始まで数か月以上の時間を要したのに対し、Box Relayについては「IT部門が管理コンソール上で機能を開放すれば、ユーザーはすぐに使い始めることができる」(西部長)ため、緊急事態宣言のような突発的な出来事があっても業務を回し続けられるとした。(齋藤秀平)