富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)は、文書管理「DocuWorks」のERP(基幹業務システム)連携の第1弾としてオービックビジネスコンサルタント(OBC)の販売・在庫管理システム「商蔵奉行クラウド」とのデータ連携を始めた。DocuWorksは文書を一元的に取り扱う“ハブ”の役割を担っており、これまで営業支援の「Salesforce」、顧客管理の「kintone」や「DocuSign」など複数の電子署名サービスとの連携を進めてきたが、ERPと連携するのは今回が初めて。
須谷和弘 統括グループ長
DocuWorksから商蔵奉行クラウドの販売価格や在庫状況を読み取って見積書を作成。商談がまとまったら注文書や契約書、納品書、請求書など一連の書類をDocuWorks上で取り扱うことで、「DocuWorksのハブ機能を一段と強化し、商談にかかわるワークフローの効率化を実現している」(須谷和弘・ソリューションサービス推進部パートナービジネス推進グループ統括グループ長)。また、DocuWorksで作成した見積書などの中身を商蔵奉行クラウドに反映する双方向のデータ連携も可能にしている。
久保田剛史氏
富士フイルムBIは、中堅・中小企業向けにOBCの奉行シリーズなどのERPを販売しており、今回のDocuWorksとの連携を足掛かりに、「従来の客先で運用するパッケージ版のERPユーザーをクラウド版へ移行する支援」(須谷統括グループ長)も積極的に取り組んでいく。クラウド環境に移行することで、電子署名を介してオンラインで安全な商取引がやりやすくなるほか、改正電子帳簿保存法に準拠したオンラインストレージに文書を保存する業務フローを構築しやすくなる。「ペーパーレス化による業務改善によって生産性を高められる」と、パートナービジネス推進グループの久保田剛史氏は話す。
今回は商蔵奉行クラウドとの連携だが、これとは別に富士フイルムBIではマイクロソフトのERP「Dynamics 365」の販売も決めている。ERPをはじめとする業務アプリケーションとDocuWorksとの連携を順次拡充していく見通し。国内外で累計800万本余り売れている自社商材のDocuWorksを文書処理のハブとしつつ、幅広い業務アプリを取り揃えることでITソリューション事業の拡大につなげていく方針だ。
(安藤章司)