追う
キヤノンMJ
「MDS」は
グループ販社に波及へ 富士ゼロックスを追う大手プリンタメーカーのうち、キヤノンは2月中旬、富士通と「マネージド・サービス」で協業すると発表し、“追撃態勢”の一端を整えた。
キヤノンが提供しているドキュメント入出力環境を最適化して包括的に管理・運用する「Canon Managed Document Services(CMDS)」と富士通が提供するIT資産をトータルにサポートする「ワークプレイス-LCMサービス」を組み合わせ、デジタル複合機(MFP)やプリンタ、IT機器などの管理を「ワンストップ」で共同提供する。
キヤノンは、グループ販社であるキヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)の大手企業向けに直販展開する「MA(メジャー・アカウント)事業販売事業部」で、08年1月から「onBIZZ(オンビズ)」という「マネージド・ドキュメント・サービス(MDS)」を展開している。CMDSは「onBIZZ」を拡充したサービスだ。
キヤノンMJの「MDS」は、「初年度に比べて、2年目は売上高ベースで倍以上の伸びとなった」(柳原尚武・マネージドドキュメントサービス販売企画課長)ことから、富士ゼロックスと同じく、全国の同社直系のグループ販社にこれを波及させていく。同社では、これを今年度(2010年12月期)の下期から具体化し、将来的には関連パートナーの事務機ディーラーにも、この仕組みを提供する計画だ。「直販中心のグループ販社では最近、中堅・中小企業から中堅・大手企業へと営業対象がシフトしている」(柳原課長)ことや、この傾向が強まるにつれ、大量の出力機を抱える中堅・大手企業がコスト削減などを狙って「MDS」への要望が増えているのが理由だ。
同社の「MDS」は、「フロア機管理サービス」や「ドキュメントセンター運営サービス」などのドキュメント業務運用サービス・メニューを整えている。前者は機器資産の一元管理や最適配置、消耗品の在庫管理など「オンサイト」で、後者が紙原稿の大量コピーや電子データの大量プリントするサービスなど「オフサイト」になる。柳原課長によれば、「他社機を含めた稼働状況の調査をして、最適化を提案し、基本的にはリモートで当社が管理する」方法だという。
先の富士通とは、主に富士通が得意とする基幹システムに紐づくプリンタ周りの機器・サービス提供で協力体制を敷く。「基本的には、案件ベースでの協業になる」(柳原課長)という。富士通のアウトソーシング事業では、リコーが機器やサービスなどで強力にバックアップしている。この関係とバッティングしない領域で、アライアンスを強化していく考えだ。
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リコー
外国販社の
成功例を横展開 リコーは今年7月1日付で、直系のリコー販売会社7社とリコー本社の販売事業本部を合併し、「リコージャパン」を設立する。これを発表した3月の記者発表で、同社は「新たな成長エンジン」の一つとして「マネージド・サービス(MDS)」や「オフィストータル改善サービス」などのサービスメニューを拡充・開発することを打ち出した。
リコーの近藤史朗社長は、それ以前の取材で、「スウェーデンのリコー販売会社は、すでにプリンタやITインフラ、ファシリティーなどを含めた“オフィス丸受け”をしている。日本国内ではこれを一気には進めないが、ベンチマークをするように指示した」と語っていた。すでに世界では、このスウェーデンの販売会社や08年8月に買収した大手事務機ディーラーの米アイコンオフィスソリューションズ(IKON社)がもつアウトソーシング・サービスが展開されている。
こうした世界的な実践例や本社が大手企業向けにすでに提供しているアウトソーシング・サービスを、早急に国内へ展開する計画だ。「リコージャパン」の初代社長と目される畠中健二・常務執行役員販売事業本部長は、「『MDS』を全国展開するには、人材や戦力の面に問題がある。すでにノウハウをもつ戦力を再配置し、ニーズの高い領域からサービスを投入していく」と、リコー販社のオペレーションを一極集中するのを機に、「マネージド・サービス」を全国で軌道に乗せる考えだ。
同社はすでに、SI(システム構築)機能や保守・サービス網などを全国配備している。ここで「マネージド・サービス」を本格的に展開すれば、富士ゼロックスやキヤノンMJを十分に追撃できるだろう。
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