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09年は、再度モノクロ機が市場引っ張る
ソリューション提案でSIer取り込む

　──さて、09年度の市場動向を踏まえ、2010年度の販売戦略を教えてください。

　大澤（ブラザー販売）　2010年度も当社としては、SOHOがメイン市場であることに変わりありません。SOHOというと従業員10人以下と捉えていますが、当社の主力機「ジャスティオ」はより人数が少ない事業所に導入されているケースが多い。SOHOが販売台数の大半を占めるなかでも、規模別にターゲットを区分けして、より人数の多い事業所への製品普及も目指します。そうした戦略を進めるなかで、当社製品のなかでA3カラー複合機が大きな位置を占めるようになっています。

　一方で、SIerや事務機ディーラーなど販社のチャネルでは、家電量販店でほとんど販売していない業務用のモバイルプリンタを売っていただいています。例えば、金融向けの紹介管理システムや保守メンテナンスの修理報告などの業務用途で使っているケースが多く、その領域でSIerなどと連携を強化し、「ジャスティオ」の販売を促進していきたいと考えております。

　中村（リコー）　2010年度は、製品面でA3のカラー機とモノクロ機を中心に、A4機やプリンタ複合機を付加していく戦略を進めます。販売チャネル面では、直売を中心にSIerやディストリビュータ、販売店経由でプリンタを拡販することに変わりありません。そのなかで、SIer向け戦略をもう一度強化することを検討しています。一つは、環境とTCO削減をキーワードにした展開と、「プリンティング・ソリューション」をプリンタメーカーとして提案していきます。

　同ソリューションは、TCO削減やセキュリティ、基幹系が主体になりますが、「リコー・パートナー・プログラム」を関連させて、パートナー様がお客様に提案できるソリューションを紹介していきます。また、「業種業務用途」では、例えば、調剤業務向けの「薬袋出力プリンタ」や配送ラベルなどの「ラベル紙対応プリンタ」を特別モデルとして製品化しています。これら商材を含め、SIerなどに売っていただけるソリューション提供を強化します。

　宮西（エプソン販売）　2010年度は、文教や官公庁・自治体の予算への期待が薄くなっているため、当然ながら、民需に対する取り組みを強化する必要があると考えています。当社プリンタの導入実績は、中堅・中小企業を中心に一般OA用途の比率が最も高い状況です。このようななか、「買い替え」周期に入っているお客様へ積極的にリプレイス提案を図ってまいります。

　また、「業種業務用途」では、08～09年度にかけて、高耐久のA3モノクロ機や高画質のA3カラー機を発表・発売しました。基幹帳票システムとの連携やPOPを切り口とした提案など、今一度、これらの商品の強みを活かすことのできる商談に力を入れていきます。また、それぞれのターゲット領域向けに、A4機も含めてさらにラインアップを拡充してまいります。

　岡田（NEC）　2010年度は、09年12月にA3モノクロ4機種を刷新しました。「2000年問題」での買い替え需要が基幹システムの一般的な更新周期の2周期目にあたる09年度に来る予測を立て、買い替え需要に応えるために過去の機種と互換性を重視する新製品を揃えたのです。従来の基幹システムでもそのままお使いいただけるようにして、お客様側になるべくコストをかけずにシステムアップしていただけるように考えております。

　一方、カラー機は09年度に前年度比でプラスになりました。とくにディストリビュータと販社向けが伸びました。この「一般OA」や「SOHO向け」は、10年度でもきめ細かい支援を行っていきます。例えば、会計ソフトとの組み合わせ提案では実績も伸ばしており、引き続き強化していきます。業種によっては、少し景気が戻ってきていますので、再度大手の民需向けを中心に販売を強化します。民需の大手企業向けは、10年度がピークになるとみています。

　松永（キヤノンMJ）　製品面では、市場規模が大きいA3カテゴリーに2010年度も注力しています。10年度は、もう一度プリンタ事業を成長シナリオに乗せることをテーマに事業展開をしています。

　販売チャネル戦略としては、グループ販社のなかで、大手企業、中堅・中小企業（SMB）、中小・零細企業を担当する直販部隊があり、ここを経由する販売を伸ばそうとしています。ページプリンタは単価が低いため、グループ販社が二の足を踏んでいる傾向にありますが、「アフターマーケット」を見越せば、既存顧客からリプレースすることで安定的に売上を伸ばすことができます。

　また、SIer向けでは、国内5大コンピュータ会社や同系列と連携を強化し販売を伸ばしたいと考えています。さらには、09年度からディストリビュータと年間の目標販売台数を共有し、共同で販売施策を推進。グループ販社を含め、キヤノンMJが総力を挙げて流通卸経由の販売を伸ばしたいと考えております。このほか、全国の事務機ディーラーを中心に地域で活躍する販社に、MFP「imageRUNNER ADVANCE」と一緒にシングル機を提案してもらう施策を進めます。

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