Special Feature
ラリー・エリソンが描く「AIがつくる未来」 Oracle AI World 2025 Report
2025/11/06 09:00
週刊BCN 2025年11月03日vol.2081掲載
(取材・文/藤岡 堯)

最も困難で根深い問題を解決する
オンライン形式でスクリーンに登場したエリソン会長は講演の冒頭、「AIは全てを変える。大げさな主張かもしれないが、私はほぼその通りだと思う」と述べ、AIが社会に与える影響の大きさを示唆した。さらに、AIが人類史上で最大かつ最速で成長するビジネスであり、鉄道の誕生や産業革命をも凌駕する規模になると指摘した上で、「新たな世界が幕を開けようとしている」と訴えた。
米Oracleのラリー・エリソン会長兼CTO
ただし、今はまだ、AIが真の価値を発揮する段階ではない。「真に世界を変える大きな機会は、モデル自体の作成やトレーニングにはない」からだ。現在、各社が競い合ってAIモデルのトレーニングに莫大な投資を進めている。その先にある、極めて高度・高速な推論を実現する「驚異的な電子頭脳」を用いて、人類が直面する「最も困難で根深い問題」の解決に乗り出すときこそ、本当に世界が変わるときだという。
エリソン会長は多様な未来の例を挙げた。疾病の早期診断、人間を超える精度と正確性を備えた外科手術ロボット、航空機部品の製造・管理、教育の個別最適化、行政サービスの改善、血液に含まれる微生物由来の遺伝情報を網羅的に調べて病原体を特定する「メタゲノム検査」への応用、農作物の遺伝子改変による収量増加、大気中の二酸化炭素の管理、自立型ドローン、生体認証によるセキュリティーの強化──。
ありとあらゆる領域でAIが重要な役割を担い、エリソン会長は「私たちはより良い生活を送れるようになるだろう。より健康で長生きし、より良い食事を摂り、より良い家に住む。これらのツールは途方もなく強力であり、世界ははるかに良くなるはずだ」と展望する。
- エコシステム全体を自動化
- 機密データの活用のためのRAGが重要に
- 変革するOracle DB
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