──2025年の振り返りを。
人事労務の業務をアウトソースできるサービスが非常にうまく立ち上がった。中小企業では、人が退職して業務が引き継げなくなることが切迫した問題になっている。労務を担っている人が辞めてしまうと、そのソフトウェアも使えなくなってしまうことが結構あるが、こうした場合も「フリーにいったん丸投げできます、内製に戻したいときは戻せます」というサービスだ。
佐々木大輔 CEO and Co-founder
また年末調整の業務コストをAIで大きく減らす機能をリリースし、大変好評だ。バックオフィスの人にとっては社員が提出した証明書の不備を確認することなどに大きな手間がかかるが、このサービスではアップロードされた資料から自動的にフォームに転記する機能を備えているため記入に間違いがなくなる。
このようにAIを活用することによって、圧倒的に業務量を減らすことができたかと思う。自分たちのサービスとAI活用、そしてプロダクトの三つ巴で、プロジェクト側に革新を起こしていくような部分にすごく手応えが出てきた。
──創業以来初の最終黒字を達成した。
「フリーは財務的に危ない」などと言われなくなる点は良いかもしれないが、基本的にビジネスモデルとしてお客様との契約が積み重なると中・長期的には収益率は高まっていく。3年前から「このくらいのタイミングで黒字になる」と計画していた話を、ちゃんと実行しただけに過ぎないと受け止めている。
価値を実感してもらえるワンプラットフォーム
──多くのSaaS事業者がプラットフォーム戦略を推進しているが、こうしたマルチプロダクト戦略の勝算は。
企業サイズが大きくなると、統合したプラットフォームをうまく活用するハードルが一気に上がるとみている。私たちの場合は基本的に、バックオフィスを一人で担ったり、お互いの顔の見える範囲で働いたりするスモールビジネスをターゲットにしているため、統合のメリットを感じることができる。
また「統合されていて使いやすい」とうたっていても、実際は複数のモジュールがバラバラのままで、使いやすさを実現できていないケースは多い。エンタープライズ向けでは要件を満たすための機能開発が、プラットフォームとして使いやすいかという点よりも優先されるのだろう。そういう場合にフリーに乗り換えると、簡単に導入・活用ができて、ワンプラットフォームである価値を感じながら使えるという声を数多くいただいている。
──26年への意気込みは。
人事労務領域ではAIによって価値を大きく上げるような成果が出てきたので、26年は会計の領域でもそうした流れをつくりたい。例えば、帳簿付け全体を自動化して抜本的に効率化するようなサービスを実現していきたい。