──2025年はどうだったか。
売り上げが比較的伸びた年だった。最も大きな要因は価格改定の影響だが、言い換えれば、価格改定がネガティブに働かなかったということだ。新規の販売が止まったり、解約が増えたりするリスクはあったが、ご理解いただけた。
青野慶久 代表取締役社長
また、生成AIの動きが非常に活発だったので、キャッチアップして自社サービスに取り込んでいくことに努めた。自分たちなりに、どのように使えばお客様のバリューにつなげられるのかが、かたちとして見えてきたところだ。
──AI戦略の方向性は。
「kintone」の場合、二つの軸がある。一つは開発支援だ。生成AIと対話することでアプリケーションをつくれたり、ワークフローを設定できたりするといった方向性で、着実に実装を進めている。もう一つは、業務アプリケーションに蓄えたお客様のデータを学習データとして活用していく使い方だ。いわゆるRAGのようなかたちで、蓄えたデータを基にAIをより生かせるようになる。
──エンタープライズ向けの取り組みの現状は。
大企業から多くの引き合いをいただけるようになり、数字としても徐々に上がっている。大企業も中小企業と同じようにエンジニア不足であり、市民開発の動きが広がりつつある。販売はハイタッチ中心で進めている。課題はパートナーだ。エンタープライズ向けの市民開発ビジネスを手掛けていただけるパートナーの層を厚くしなければ、ボトルネックになる。26年はエンタープライズ市場でのパートナー開拓が課題になるだろう。
──海外展開はどうか。
匍匐前進ながらも着実に進んでいる。台湾とタイでは、ローカル企業にも購入いただけるようになった。南米でも資本・業務提携を結ぶリコーの販売網を通じて売れるようになりつつある。
まちぐるみでのDXを支える
──3カ年の全社スローガン「25BT」(2025 and go Beyond with Trust)が25年で終了した。この先の展望は。
この3年は次の成長に向けた中長期の課題を解決する時期であり、重要であったのはエンタープライズ市場やグローバル市場にしっかりアジャストできる準備だった。大体イメージしていた準備はできたと感じており、次の3年で実績を挙げたい。
新たに動き始めている部分としては「チームワークあふれるまちづくり室」の取り組みがある。B2リーグ・愛媛オレンジバイキングスへの経営参画は、まちぐるみでのDXをもっと推進するために、象徴的なコンテンツを自分たちで持つ意味があった。自治体や住民の皆さんと話しながら、みんなで稼げて、楽しいまちにすることにチャレンジしていく。本業のソフトウェア事業とのシナジーを生み出す部分まで成し遂げたい。