サーバー領域ではFUJITSU-MONAKAを搭載したサーバーのほか、米NVIDIA(エヌビディア)の「HGX B300」「RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition」を搭載したGPUサーバーを、子会社の富士通ITプロダクツが運営する笠島工場(石川県かほく市)で製造すると発表しており、プリント基板(PCB)の組み立てから装置の組み立てまでが国内で完結する優位性がある。もちろん、GPUをはじめ、サーバーを構成するすべての部品を国内で賄えるわけではない。重要なのは、外部部品を含めたサプライチェーンを把握し、トレーサビリティーを確保することにある。
ソブリンクラウドとして注目を集めるのが「Fujitsu クラウドサービス powered by Oracle Alloy」だ。システムやデータを国内に保管するデータ主権ニーズに対応。アップデートやパッチ適用も富士通がコントロールし、透明性を高めている。米Oracle(オラクル)のクラウド基盤「Oracle Alloy」を採用したサービス展開を国内SIerや通信各社が進める中、富士通では公共・金融・製造の顧客を中心に導入や検討が広がり、目標を上回るペースで契約が進んでいるという。
このほか、企業の専有環境で生成AIを活用できるプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi Enterprise AI Factory」では、「ソブリンAI」の実現を狙う。オンプレミス環境の「Private AI Platform on PRIMERGY」を土台に、生成AIの挙動を管理するトラスト技術を重ねる。その上で、富士通の大規模言語モデル(LLM)「Takane」の活用や、自社データによる追加学習を可能にし、AIエージェントの開発・運用まで一体的に支える構成だ。
ソブリンAIサーバーの製造やFujitsu Kozuchi Enterprise AI Factoryは26年に相次いで発表された。これにより、ソブリン基盤を構成するハードウェアとAI運用基盤の双方を顧客に届ける体制を整えた格好だ。
パートナーエコシステムで展開
これらのソブリンアーキテクチャーを顧客に導入する際には、設計から構築、運用までを一体的なサービスとして提供する。普及には、SIerをはじめとするパートナーとの協業が不可欠だ。再販や共同提案に加え、パートナーが自社サービスの基盤として活用するかたちも含め、エコシステムとして展開していく方針だ。マハジャン副社長CTOによると、「Made in Japan」の品質を見込んで欧州からも引き合いがあるという。