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<コンシューマ冬商戦戦略特集> ユニークな製品が次々登場 エンドユーザーと販売店を意識した製品でシェア獲得を目指す 後編

2007/09/24 19:56

週刊BCN 2007年09月24日vol.1204掲載

既存のパソコンが子供専用のPCになる「ぱそこんキッズキー」

■子供に安全なパソコン環境を

 学校でもパソコンを使った授業を行うようになり、子供がパソコンに触れる機会が増えている。実際、バンダイが2007年1月に実施したアンケート調査(小学1から4年生の子供をもつ保護者824人対象)によると8割以上の子供が自宅でパソコンを使用していると回答しており、子供にとってパソコンやインターネットが非常に身近な存在という状況が浮き彫りとなっている。

 一方で、有害サイトの問題も表面化している。2007年8月に警察庁から発表されている「平成19年上半期のいわゆる出会い系サイトに関連した事件の検挙状況について」によると、07年上半期のいわゆる出会い系サイトに関連した事件として警察庁に報告があったものは907件で、18歳未満の児童604人が被害者となっている。出会い系サイトだけではなく、有害サイトへのアクセスを遮断し、よりセキュアな環境下で子供にパソコンを使わせたいというニーズが高まっている。

 玩具業界最大手のバンダイでは、パソコン周辺機器メーカーとして知られるバッファローと協業し『ぱそこんキッズキー』の開発を進めてきた。『ぱそこんキッズキー』は、子供たちに楽しく有意義にパソコンやインターネットを利用してほしいという思いから企画された製品で、幅43×高さ88×奥行き10mm、重さ13gのカギ型のデバイス。

 キャラクターとしてウォルト・ディズニー・ジャパンの「ミッキーマウス」と「くまのプーさん」を採用した2モデルを提供。OSは、Windows Vista、Windows XPに対応する。既存のパソコンのUSBポートに挿すだけで子供専用パソコン「キッズモード」に切り替えることができる。操作、セットアップとも容易であるため、有害サイトへの対策を行いたいがパソコンは苦手といった保護者でも、手軽に使える環境を提供する。

 「キッズモード」では、有害サイトへのアクセスをブロックしたり、使用できるソフト・ファイルの制限、子供のパソコン利用時間の制限、プリンタの使用制限、接続サイトの履歴確認機能など、各種安心機能のほか、子供たちが楽しみながらパソコンを操作できるコンテンツも利用できる。『ぱそこんキッズキー』を引き抜けば自動的にログアウトし、保護者のアカウントログイン画面に戻る。

 また、子供たちが安心してインターネットを使えるように初期設定のブラウザを子供専用ポータルサイト「Yahoo!きっず」に設定してあり、URLの直接入力ができないように開発されているため、有害サイトに接続してしまうといった心配も無用となった。また、保護者が使用しているファイルなどへのアクセスは一切できないようにしているため、子供が誤って大切なデータを消してしまうという心配もなく、安心してパソコンを利用させることができる。

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