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<セキュリティソリューション特集> 新たな課題として「ネットワークセキュリティ」に注目が集まる 後編

2007/11/19 19:56

週刊BCN 2007年11月19日vol.1212掲載

バラクーダネットワークスジャパンの新たな挑戦
30万円台から導入できるロードバランサーを投入

■4本目の柱としてロードバランサーに注力

 バラクーダネットワークスは、電子メールのみならず、ウェブブラウジング、インスタントメッセージといった3つのカテゴリを柱にビジネス展開を図っている。「国内市場では、インスタントメッセージの製品は投入していませんが、ワールドワイドでは、このような市場も立ち上がっています。当社では、さらに新しい市場の開拓を行うべく第4の柱としてロードバランサーを開発・提供しています」と、市場開発の小林容樹日本担当部長は語る。

■寡占化が進む市場に一石を投じる

 ロードバランサー市場は、大手ベンダーによる寡占化が進んでいる。「製品の高機能化が進んでおり、価格も数百万円からという市場です。中堅・中小企業では手が届かないというケースも少なくありません」と、小林日本担当部長。

 バラクーダネットワークスジャパンでは、機能を絞り込むことでコストを抑えたロードバランサー「Barracuda Load Balancer(バラクーダロードバランサー)」を発表した。しかしセキュリティに軸足を置くことは忘れていない。同社の提供するロードバランサーには、IPSが搭載されている。「これまで培ったノウハウを生かし、製品開発したIPSを搭載しています。サーバーの前に設置するロードバランサーでセキュリティを高めることは、お客様のメリットにもなると思います」(小林日本担当部長)というのが、その理由だ。サーバートラフィックの負荷分散を行うだけではなくセキュリティリスクの低減を実現する、というのがこれまでのロードバランサーメーカーと異なるアプローチになっている。

 「Barracuda Load Balancer」の「最もローエンドな製品は、税別36万5000円からご提供いたします」(小林日本担当部長)。これまでローエンドのロードバランサーも市場に流通していたが、約80万円あたりが相場だった。この「Barracuda Load Balancer」の登場により、新しい市場が開拓できる。同社が提供するロードバランサーを使えば、冗長化構成でも同等の価格帯ですむことになる。

■パートナーと共に新規市場の開拓を

 同社ではロードバランサーを戦略製品と位置づけ、さらなる拡販に注力していくという。「先行して発売している北米などでは、半年で1000台ほど販売いたしました。当社にとっては新しい挑戦ですが、日本市場でも期待しています」(小林日本担当部長)。

 「Barracuda Load Balancer」は、高性能・簡単操作という付加価値を高めつつ、圧倒的なコストメリットで提供できる製品だ。サポートはバラクーダネットワークスジャパンが請け負うため、パートナー企業にとっても扱いやすく、手離れがいい商品となる。またバラクーダネットワークスジャパンにとっては、新たな挑戦となる。それは、ロードバランサー市場の台風の目となるべく提供される戦略製品であるからだ。「パートナー様が“Barracuda Load Balancer”を扱うことで、自社のソリューションや製品の付加価値を高めることに活用できると考えています。これまで同様、評価機の無料貸し出しも行っておりますので、ご活用ください」(小林日本担当部長)というのが、パートナーへのメッセージだ。

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バラクーダネットワークスジャパン=http://www.barracuda.co.jp/

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