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<セキュリティソリューション特集> セキュリティニーズがさらに高まる 2008年のキーワードは『コンプライアンス』 前編

2008/01/17 19:56

週刊BCN 2008年01月14日vol.1218掲載

インターコム 内部統制に必要な機能を標準装備
機能強化した新バージョンの投入で、さらに顧客からの引き合いが増加

■適正価格で網羅性の高いソリューション

 これまで、セキュリティ市場には数多くのベンダーが星の数ほど多くのソリューションを提供してきた。しかし、それらの多くはコストや機能面から中堅・中小企業のニーズを十分に満足させるものではなく、大企業などで使われるにとどまっていた。そうしたなか、昨年6月にインターコムでは中堅・中小企業でも最適なコストパフォーマンスが実感でき、かつ大規模なシステムでも十分に機能を満たすソリューションとして「MaLion(マリオン)」を投入。「MaLion」は、ネットワーク監視(不正PC検出)、アプリケーション監視、電子メール監視、Webアクセス監視、外部デバイス監視、印刷監視、ファイルアクセス監視、リアルタイム監視、資産管理、ファイル配布(セキュリティパッチ配布など)、リモートコントロール、ログ分析/レポート機能を標準で利用できる。

 これは、情報漏えい対策からIT資産管理、内部統制に必要とされるほとんどの機能を網羅していることになる。後発のソリューションであるがゆえに、既存のソリューションを研究し尽くしており、真にユーザーが求めているソリューションを開発できたと言えるだろう。そのため、実際のエンドユーザーからの引き合いが着実に増加している。

■新バージョン(Ver.1.2)で機能強化・新機能追加

photo 2007年11月には「MaLion」の最新バージョン(Ver.1.2)を投入。新バージョンでは、機能強化に加え、これまでのユーザーの声に応えた新機能も追加している。情報漏えい対策という観点で言えば「外部デバイス監視」の機能を使うことが多い。しかし、多くのソリューションは、外部デバイスの利用を一律に禁止して情報漏えいを防止するというアプローチをとっている。しかし、すべての外部デバイスへの利用を禁止してしまうと、企業の生産性を大幅に低下させるばかりか、情報漏えいの危険性がない情報の受け渡しも困難になる。「利便性を低下させずに情報漏えいを防ぐ」というアプローチになっていないのが実状だ。「MaLion」の場合には、外部デバイスの固体IDをあらかじめ登録しておくことで特定のデバイスのみ利用を許可することや、外部デバイスへの読み込みだけを許可するといった細かいポリシー設定ができる。そのため、情報を適切に管理・運用し、情報漏えいリスクを低減させながらも利便性を落とさない。

 また、内部統制という観点では「電子メール監視」などが大幅に機能強化されている。電子メール監視を行うソリューションは、送信メールを保存することに軸足が置かれている。これは、電子メールからの情報漏えいを防止することが主たる目的になっているからだ。しかし、本来の内部統制からすれば、送信メールだけでなく、受信メールも保存しておき、必要に応じて情報を取り出さなければならない。いわゆるメールアーカイブという分野のソリューションが必要とされているのである。

 しかし、メールアーカイブは多くの保存場所を必要とするため、大容量のストレージの利用が必須となる。中堅・中小規模企業の中には、そこまで大きなストレージを用意できないケースも多々ある。そこで「MaLion」は、保存する電子メールのバイト数を指定するなど、細かなカスタマイズを実現。本格的なメールアーカイブから簡易的な利用まで、ユーザーのニーズに応えて柔軟に対応することができる。

 また、企業の生産性を向上させるという付加価値まで提供する。新バージョンでは、社内のすべてのPCから収集したWebアクセスログをカテゴリ別に分類し、グラフ表示できるようになった。この「URLカテゴリ分類機能」には、多くの実績を持つネットスター社のURLデータベースを採用し、「アダルト」「ギャンブル」「ゲーム」「メッセンジャー」「ウェブメール」「掲示板」「ニュース」などのカテゴリに自動分類される。

 情報漏えい対策、内部統制の整備、生産性の向上といった企業課題に対するインターコムの解答が「MaLion」だ。新バージョンの投入により、さらに市場を広げていくことが期待される。

インターコム=http://www.intercom.co.jp/

(週刊BCN 2008年1月14日号掲載)

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