Special Issue

<IT統制ソリューション特集>コンプライアンスの欠如が大きな事件・事故につながる

2008/09/25 19:56

週刊BCN 2008年09月22日vol.1252掲載

インターコム
日本版SOX法などの求めに応じた機能を追加
情報資産/IT資産を徹底管理する「MaLion 2.0」

伸長し続ける情報漏えい対策市場

 2006年6月にインターコムから発売された「MaLion(マリオン)」。クライアント操作に支障をきたさない軽快なエージェントを搭載し、カーネルレベルでの監視により、クライアントPCの操作を徹底的に監視・制限する網羅性の高いセキュリティソリューションだ。最小限の手間と時間で導入でき、使いやすいシステムを構築できるという点が注目を集め、案件数も増加の一途をたどっている。

 「“内部統制”を構築するために検討されるケース以外に、最近では“情報漏えい対策”という観点での引き合いも増えていますね。また、“新規”で導入を検討されるお客様だけでなく、他社製品からの“乗り換え”で検討されるケースが増えています」と、情報セキュリティシステム事業部・事情部長代理の高橋祐二氏は語る。セキュリティソリューションを導入して安心するのではなく、その後の運用を適切に行わなければ意味がない。新しい脅威に対応できなければ、情報システムを守ることができないからだ。そのため、常にソフトウェアの見直しが行われている。

網羅性が高くTCOの低減に寄与

 マリオンは、網羅性が高く、ネットワーク監視(不正PC検出)、アプリケーション監視、電子メール監視、Webアクセス監視、外部デバイス監視、印刷監視、ファイルアクセス監視、リアルタイム監視、資産管理、ファイル配布(セキュリティパッチ配布など)、リモートコントロール、ログ分析/レポート機能が標準で利用でき、一元的な管理も可能だ。

 複数のソリューションを導入しているケースと比較すると、管理・運用・保守などのコストメリットが大きいということに、ユーザーが気づき始めているようだ。「PマークやISMSなどを取得したお客様も増えています。PDCAのサイクルを継続して回すために“マリオン”を使うケースが増えているようです。マリオンは、まだまだ伸長していくでしょう」と、情報セキュリティシステム事業部・パートナー営業部の川又諭氏は語る。

機能を追加したMaLion 2.0の登場

 このように、多くのユーザーニーズに応える懐の深いソリューションであるマリオンが、今回メジャーバージョンアップを果たし、さらに使いやすくなった。

 「MaLion 2.0」では、従業員がログイン時に使用した各種アプリケーションのID/パスワード情報を収集する「アプリケーションID」や、重要なファイルを暗号化して漏えい事故を防止する「ファイル暗号化」、Webメールの利用を監視して送信した内容をログ抽出する「Webメール」のほか、特定のレポート作成をスケジュール化して定期的に自動出力できる「自動レポート作成」などの機能が追加されている。また、オプションで「Webフィルタリング」を活用したWebアクセス制限まで実現している。「内部統制を構築する際には、業務系アプリケーションのアプリケーションID管理は必須となります。定期的にパスワード変更が行われているかチェックし、長期間変更していないユーザーを把握できます。また、許可されていないIDの禁止や、使用したユーザーに警告を出すこともできます」(川又氏)。

 ツールでシステムを強固に守るだけではなく、ユーザーに対して警告などを発することで「セキュリティ意識を高める」ことにもつながる。情報セキュリティは、情報システム部門だけではなく、社員一丸となって取り組むべき課題だ。そのため、セキュリティ意識を向上させることが重要となる。マリオンは、「人」まで踏み込んだ対策を可能とした。実際のユーザーニーズに応えているからこそ、これだけの対策が施せるのだ。

 インターコムは、常に顧客に視線を向けており、ニーズに合わせて機能を追加・強化し続けている。同社が市場のすそ野を広げる一翼を担っているのは間違いない。今後の展開に注目したい。


インターコム=http://www.intercom.co.jp/

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