Special Issue

<オフィスプリンタ特集>エントリー市場を広げる 業種・業務に使えるエントリー製品で新たな訴求を

2009/02/18 19:56

週刊BCN 2009年02月16日vol.1272掲載

リコー
生産性の向上とコスト削減でビジネスを強力にバックアップ
業種・業務向け機種でさらに市場を開拓

エントリー市場でも堅調な推移

 これまでリコーは、拡大傾向にあるエントリー向けのプリンティング市場に対し、「IPSiO SP C220」や「IPSiO SP C221SF」などを投入してきた。コンパクトな筐体ながら高速印刷を実現し、フルフロントオペレーションを起用するなど利便性にも配慮した製品は、市場でも高く評価され、堅調な推移を見せている。その上位機である「IPSiO SP C310」と「IPSiO SP C301SF」が、2009年2月に発売された。

 「IPSiO SP C310」の連続プリント速度は毎分25枚と、SP C220の毎分16枚に比べて高速化している。さらに、自動両面機能を標準装備し、インターリーフ両面方式という効率的な用紙搬送を採用した結果、カラー/モノクロともに、片面出力と同速毎分25ページの両面印刷を実現している。SP C310は両面印刷や集約印刷、中とじ印刷を活用することで、用紙やトナーなどの印刷コストを大幅に低減できる。さらに、トナー使用量を約40%削減するトナーセーブモードを活用すれば、カラー出力コストの節約にも寄与する。「ここ最近、とくにコストに対する要望が強くなっています。新製品では、1枚あたりのランニングコストを抑える大容量トナーと、購入時のイニシャルコストを抑える小容量トナーの2種類をご用意いたしました。よく使う色は大容量、あまり使わない色は小容量というように、お客様の印刷環境に適したトナーの購入が可能になります」と販売事業本部・ソリューションマーケティングセンター・プリンタ販売計画室・室長の宮崎章二氏は語る。こういったサービスをみても、リコーがユーザーの声に耳を傾け、製品を企画・開発しているということが読み取れる。

特定業種・業務で求められる高い生産性も実現

 「これまでの当社のエントリー市場向け製品は、一般オフィスを想定し開発してきました。現在は、それに加え、特定業種・業務でも活用できるプリンタの開発を進めています。ご好評いただいているコンパクトさはそのままに、高い生産性を実現しました」と、宮崎氏。

 SP C310は、給紙トレイに500枚、オプションの増設トレイに500枚、手差しトレイに100枚、合計で最大1100枚の用紙をセットできる。また、それぞれのトレイで普通紙から厚紙まで、さまざまな用紙を出力できる。郵便はがきや不定形サイズの用紙はもちろん、手差しトレイでは封筒印刷にも対応し、流通/サービスや医療市場などの特定業種・業務に合わせた活用を実現した。特殊用紙への対応は、店舗内でのPOP・チラシ、オリジナルDMはがきや、調剤薬局での薬剤情報の出力にも活用できる。

 「IPSiO SP C301SF」は、カラーレーザープリンタをベースに、カラーコピー、ファクス、カラースキャナ機能を搭載し、本体寸法は、420(W)×493(D)×476(H)mmと非常にコンパクトだ。これは「IPSiO SP C221SF」の上位機種として位置づけられ、セキュリティ機能にも力を入れている。「企業で使う場合、セキュリティを考慮する必要があります。使いやすい操作パネルを搭載した“SP C301SF”は、ユーザーがパスワードを入力することで、初めて印刷できるようになる“パスワード印刷機能”のほか、利用者ごとにユーザーIDを設定し、コピー、スキャナ、ファクス送信など、使用可能範囲を制限することもできます」(宮崎氏)。

 例えば、管理者はコピー、スキャナ、ファクスを使えるが、アルバイトの場合はコピー、スキャナ、ファクス送信を禁止するといった制限ができるのだ。業務に応じた権限を与えることで、無駄を省くだけでなく、情報漏えいを抑止する効果も高まる。このクラスの機器で、これだけ充実したセキュリティ機能を搭載している製品は、ほかにない。

 さらに、パソコンからデータを直接ファクスで送信できる「PCファクス送信機能」を備え、コスト削減と作業効率の向上を実現した。もちろん、スキャン to E-Mail/フォルダーといった、コピー感覚でスキャナを使いこなせる機能も搭載し、簡単にスキャナを活用できるのは大きなメリットだ。

 ユーザーのすそ野を広げるべく、エントリー市場に対して積極的にアプローチしているリコー。一般オフィスに加え、業種/業務で活用できる製品を提供し、新市場を開拓していく構えだ。




リコー=http://www.ricoh.co.jp/