Special Issue

<付加価値プリンタ特集>キーワードはエコとコスト削減

2009/05/28 19:56

週刊BCN 2009年05月25日vol.1285掲載

エプソン販売
お客様とのコミュニケーションを密接に

特定市場でSIerと連携へ

 エプソン販売が年末を挟んで実施した期間限定のビジネス向け商品キャンペーン「お得祭り!!」は、同社の第四四半期(1月~3月)にて、A3カラーページプリンタで国内トップシェア獲得を見込めるほど好評を博した。同キャンペーンは、オフィス機器の導入を検討しているものの「カラープリンタは高額」などと躊躇するユーザー企業に対し、「お求め易い『特別価格』で買える」と訴えたことにより購入意欲を喚起できたという。この好結果を受けて、今年度(2010年3月期)は、お客様が実勢価格や商品特長が分かりやすくなるようなコミュニケーションの強化と、従来からの医療や小売・流通など業種・業態向けの販売促進のさらなる強化という両面で全体の販売台数を伸ばす戦略を打ち出している。

クリックで拡大 「お得祭り!!」は、昨年12月から今年3月末までの期間限定で実施した。ここではレーザー、インクジェット、複合機、ドットの各プリンタ、プロジェクタなど「オフィリオシリーズ」が対象になった。ユーザー企業へ直接的に価格訴求する方法であったが、「ほとんどが販売代理店経由で売れた」(宮西徳郎・マーケティングセンタープロダクトマーケティング部部長)と、販売パートナーに恩恵をもたらすキャンペーンとなった。同社によれば「A3カラーページについては、07年度までは新規導入が半分以上を占めていたが、ここへきて買い替えが6割を超えた」(宮西部長)という。特に、一般オフィス市場では、いま使っているプリンタの導入コスト・ランニングコストと比較し、より低価格の商品を選択する傾向が鮮明になっているようだ。同キャンペーンを通じ、プリンタ、特にA3カラーは「高い」というイメージを払拭することができたという感触を得ることができた。この結果もふまえて、一部機種を除く実勢価格10万円未満のビジネス向け商品を中心に、5月11日から「オープンプライス」表示に切り替えた。「ユーザー企業の購入の敷居を下げるためにも、購入判断の材料として参考価格をホームページや新聞広告などでダイレクトに表示する。これまでは、標準価格と実際に購入する価格の差が乖離していたので、販売価格の実情を把握できていないユーザー企業が多かった」(宮西部長)と判断しての対策だ。

 一般オフィス市場に攻勢をかけるのと併せて、同社では現在、「業種・業態」向けの販売を強化している。今年度も引き続き、医療、流通・小売業、官庁・自治体、文教などを主な対象とした販促策を、業種展開に長けたSIerやメーカー系販社と協力して行う。一般オフィスにも使われるプリンタや「特定用途」向けのラベルプリンタなど、幅広い商品をラインアップし、病院の基幹システムと連動した提供を推進する方針だ。

 例えば、医療機関向けでは、検査時の検体ラベルの印刷には小型カラーインクジェットラベルプリンタ「TM-C3400」を、薬情、薬袋の印刷には、高速・低ランニングコストのA4カラーインクジェットプリンタ「PX-B500」を提供できるなど、多用途の要望に応えることができる。「当社のデュプリケータ(CD/DVD複製装置)『PP-100』なども医療機関でニーズが高い。また、昨年12月に帳票印刷向けとして出したモノクロ高速機『LP-S4200/3500シリーズ』も引き合いが多い。プリンタ以外にもスキャナなどを含め、さまざまな用途に応えて提供することができる」(宮西部長)と、幅広い商品群を強みにSIerなどとの協業関係を強め、新たなボリュームゾーンをパートナーとともに開拓していく。


エプソン販売=http://www.epson.jp/

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