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<セキュリティソリューション特集>根強いニーズの「内部統制」 ぜい弱性対策には新しい動き

2009/12/17 19:56

週刊BCN 2009年12月14日vol.1313掲載

エムオーテックス
「LanScope Cat」の最新ロードマップ初公開
次期バージョンはソフトウェア配布とUSB管理が大幅進化

 2009年11月、東京・大阪にて、エムオーテックス主催のユーザー会「LanScopeアワード2009」が過去最大規模で開催された。全国4900社のユーザーからLanScope導入活用事例を募集し、最もセキュリティに効果をあげている事例を表彰する年1回のイベントだ。会場では特別企画として、同社の主力製品であるネットワークセキュリティ統合管理ツール「LanScope Cat」の最新ロードマップが初公開され、大きな話題を呼んだ。

 2010年初旬にリリース予定だという最新バージョン「LanScope Cat6 Ver6.4.0.0」は、計23件もの機能強化があるが、なかでも参加者から支持を得たのが「デバイス制御機能」「ファイル配布機能」「プリント・ログ機能」の大幅強化だ。外部記憶媒体からの情報漏えいに対する従来の対策方法は、USBメモリ等の使用を禁止したり、企業で許可したUSBのみの利用を許可する運用ルールを実施する企業が多かった。しかし、単に使用を禁止してしまえば、業務に支障をきたしてしまう。また、企業で許可したUSBのみの利用をする運用ルールにしても「誰に」「誰の判断で」「どのUSB」を利用させるのか「人」と「USB」の管理にかかる運用工数は計りしれない。

 これらの問題を解決するのが「Cat6」最新バージョンで実装される「デバイスシリアル管理機能」だ。USBメモリを「シリアルナンバー」と「人」で管理し、会社にどれだけのUSBがあり、誰の責任でどのように利用されているか把握できる。また、現場でUSBの利用許可設定を行えるようにして、管理者の負荷軽減だけでなく、業務効率を落とすことなく、USBの管理を実現した。

 次に同社が「ユーザーの要望第1位をかなえた」と自信を見せるのが「ファイル配布機能強化」である。同社によると、PC資産管理ツールを導入している企業の過半数が、ツールの活用に課題を抱えているという。特にソフトウェアの配布・インストールに関しては、7割以上の企業が自動で行えておらず、現状の運用を問題視しているとのデータもある。

 Cat6の最新バージョンで大幅に強化されるファイル配布機能は、業界で初めて「完全イメージ方式」のファイルインストール機能を実装した。スクリプト方式を採用している製品は、スクリプトの作成を有償で販売メーカーに頼らざるを得ず、不満に感じているユーザー企業が多かったという。LanScopeアワードの会場では最新のファイル配布機能のデモンストレーションが披露されたが、難しい印象が強かったソフトウェアの自動配布・インストールを誰でも簡単に成功させられるようになると、参加者から期待の声があがっていた。

 ユーザー企業を取り巻くセキュリティ環境には、年を追うごとに厳しい目が向けられるようになってきている。内部統制などの観点からは、コンプライアンス実行のためにシステムの管理や運用を強化する必要がある。セキュリティ体制の見直しと強化が急務とされるなか、エムオーテックスはユーザー企業が頭を悩ませている課題を解決するために、新製品「LanScope Cat6 Ver6.4.0.0」にこれらの新機能を追加した。これまでも数々の機能を強化したことでクライアントを増やしてきたエムオーテックス。新バージョンの投入で、さらにユーザー企業を増やしていくのは間違いなさそうだ。市場での支持に注目が集まる。

LanScopeロードマップイメージ図


エムオーテックス=http://www.motex.co.jp/

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