各社とも自社の強みを活かして
確実な伸張を遂げる

　──2010年の実績について、成長や拡販のトリガーとなった要因、事象などはありますか。

　中尾（リコージャパン）　10年度の拡販のポイントとしては、官公庁、自治体、さらに当社の強みである医療分野など、パートナー様と連携した業種展開が図れたことと考えています。製品カテゴリーとしてはA4モノクロが伸びており、二桁増となりました。当社として最も期待しているA3のCLP（カラーレーザー）については、前年を上回る見通しです。

　大澤（ブラザー販売）　今年度の大きなトピックとしては、一昨年末に発売したコンパクトで自動両面のモノクロ複合機「MFC-8380DN」が、お客様から大きな支持をいただきました。この製品が牽引する形で、モノクロ複合機は前年比で二桁伸張が達成できました。また、A4カラー複合機の市場は成長が期待されながらもこれまではなかなか伸びてこなかったのですが、今期は市場が急速に拡大し、当社のカラー複合機も昨対を大きく上回っています。これは製品の認知が上がり、値ごろ感からSOHOユーザーが購入しやすくなったということもあると思います。

　宮崎（富士ゼロックス）　当社では従来のプリンタカテゴリーに拘らず、出力機器に垣根はなく、何枚出力していただくかが重要と考えています。その意味では出力機全体のボリュームは確実に増加しています。2010年は「マネージドプリントサービス」「モバイル機器」2つの「元年」であると考えています。モバイル機器向けでは、iPhoneやiPad等からセブン-イレブン様店舗の「マルチコピー機」から写真や文書を出力できる「netprint」サービスが、法人のお客様にも数多く利用され始めています。今後、クラウドプリントの先駆けとして、新市場を創っていくものと期待しています。

　松永（キヤノンMJ）　2010年度（2010年12月期）の実績については満足しています。マルチチャネル展開をしている中で、店頭系を除く分野で、2008年度を超える大きな成長を達成しました。

　機種で言えば、シングルファンクション機が大きく成長し、業種別では、当社が強みとする金融、官公庁、医療の各分野で強みが生かせました。チャネル別でも大手・SMB・中小の各直販ビジネス全体がすべて成長できましたし、再販系でも事務機系ディーラー中心のビジネスパートナー、システムパートナー（SIパートナー）、グループの直販のそれぞれが良かったですね。

　深野（OKIデータ）　当社も2010年度の実績については概ね満足しています。当社の主な市場セグメントでは、SMB、大手、官公庁があります。このうちSMBでは一般オフィスとDTPなどの特定用途向けと分けられますが、一般オフィスでは30％近い増を達成する見込みです。「OKI」のブランドの認知度がまだそれほど高くないということを認識しておりましたので、1年半ほど前よりCMを中心としたプロモーション活動に注力しました。その結果、COREFIDO（コアフィード）ブランドの「5年間無償保証」というほかに例を見ないサービスがようやく支持され始めたと感じています。

　宮西（エプソン販売）　10年度は好調に推移しており、おかげさまで社内で設定した販売目標を達成できる見通しです。A4/A3機とも商品ラインアップを拡充したことで、特に、A4機は二桁成長を達成する見込みです。中でも、A4カラー「LP-S510」は量販店を中心に高いシェアをいただいています。また、ビジネスインクジェットについても、「LAN対応」、「大容量給紙」など、一般オフィスでの必須機能を搭載した商品を投入することで、お客様の認知、拡販が進んでいます。さらに、今年で3年目となる年度末キャンペーン「お得祭り2011」を実施しており、拡販に大きく貢献するものと考えています。

　岡田（NEC）　先程の市場感でも若干触れましたが、10年度上期は「2000年問題」からの入れ替え需要が貢献して、前年比では120％成長を達成しました。下期に入ってからは若干、落ち着いてはきたという感触があるものの、景気の影響をあまり受けない医療分野は堅調に推移しています。また、機種について触れると、A4カラー機がSMB/SOHO市場を中心にかなり売れたことにより、上半期については前年同期比で1.5倍以上に大きく伸張しました。

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