＜流通販社の4強が語る　EMCを売る理由＞

大塚商会
強みのサポート力を付加して
安心して販売できる体制を構築

塩川公男 取締役兼上席常務 執行役員

　中堅・中小企業（SMB）向けSI事業を得意にしながら、ディストリビューション事業にも強い大塚商会。EMCジャパンが2月中旬に発表した中規模以下のシステムに適したストレージ「EMC VNXファミリ」の「VNXeシリーズ」について、塩川公男・取締役兼上席常務執行役員は、「大きな期待を抱いている」と、評価している。

　大塚商会は2008年から、EMC製品の販売を手がけていた。これまでは直販で販売する傾向が強かったが、今回の「VNXeシリーズ」は「ディストリビューション事業にも適している」と塩川取締役兼上席常務執行役員は語る。「これまでのEMC製品は、『中規模以下向け』と謳う製品でも高額で、導入作業に高度なスキルが必要だった。だが『VNXeシリーズ』は低価格で、セットアップも容易。ストレージに詳しくないIT企業でも、商材として活用できる」と、その理由を話している。

　「SMBに適したストレージは、安定的に販売台数が伸びる有望市場と捉えている。今回、EMCジャパンが用意した魅力ある製品に、大塚商会の強みであるサポートサービス力を付加して、IT企業が安心して販売できる体制を築く」と塩川取締役兼上席常務執行役員は強調。拡販に強い意気込みを示している。

ソフトバンクBB
VNXeでストレージの新市場を開拓
販売パートナーへの支援を強化

溝口泰雄 取締役常務執行役員

　ソフトバンクBBは2008年、EMCジャパンと販売代理店契約を締結した。以来、中堅・大企業のシステム構築を担うSIerなどを中心にEMC製のストレージを流通してきた。

　今回、EMCジャパンが発売する「EMC VNX ファミリ」のエントリー製品「EMC VNXe」の登場で、「当社の販売パートナー様のうち、中堅SIerなど、これまで以上に幅広い層へストレージを流通できる」（溝口泰雄・取締役常務執行役員）と、新たな市場の開拓に期待を寄せる。

　同社では、「IT」と「通信」を有機的に融合させる「Advanced ICT」を事業ビジョンに掲げている。「EMC VNXe」はその中核製品と位置付ける。同社では今後、EMC製品の技術スキルを有した人材を育成し、販売パートナーに対するe-ラーニングによるトレーニングを実施する。また、案件発生の際に販売パートナーをサポートするスペシャリストを50人程度養成した。

　溝口取締役は「大企業内のデータ容量は増える一方だ。中堅・中小企業でも事情は同じで、ストレージの成長性は高い」と、サーバーやセキュリティ、仮想化ソフトウェアなどと一緒にストレージを販売できるソリューション体制を早期に構築する。

ダイワボウ情報システム
有望商材としてストレージに注力
市場開拓の強力な武器に

西田善紀 取締役

　ダイワボウ情報システムは、注力ビジネスの１つとしてストレージの販売を位置づけている。「データは今後も増え続け、比例するように必ずストレージの需要も伸びる」（西田善紀・取締役営業推進本部長兼営業企画部長）との予測からだ。なかでもさまざまな接続形態をサポートしており、エンタープライズに適用されているような先進的な機能をサポートしているストレージは、中堅・中小企業（SMB）用の製品としては「これまでなかった」と、「EMC VNX ファミリ」の「VNXeシリーズ」の登場を歓迎している。

　「圧倒的なブランド力があり、製品の機能と低価格は魅力。設定・導入を容易にするツールや、販売スキルを身につけるための教育プログラムにも、惹かれた」と西田取締役は高く評価している。同社では、ストレージだけでなく、他のハードやソフトを組み合わせたセット提案を促進しており、そのなかで、SMB向けストレージの武器として「EMC VNXファミリ」を位置づけ、積極提案していく姿勢だ。

　マルチベンダー対応、仮想化ソフトの営業資格を有した営業担当者を全国各地に配備した地域密着の展開が同社の強み。その特長を「VNXeシリーズ」でも生かそうとしている。

ネットワールド
「無限の市場がそこにある」
VNXeシリーズで中小・中堅を開拓

森田晶一 社長

　ITソリューション・ディストリビュータとして知られるネットワールドは、これまでもEMC製品に注力して拡販に努めてきた。仮想環境での共有ストレージはもちろん、ストレージ統合に利用している企業も多く、エンタープライズを中心に導入が進んでいる。

　VNXeシリーズはリーズナブルな価格帯であることに加え、運用・管理も容易なことを特色としたストレージだ。これまで導入していなかった中堅・中小規模の企業も導入しやすい。

　ネットワールドの森田晶一代表取締役社長は、「ストレージは初期コストが高額で敷居が高いと思われてきました。しかしVNXeシリーズであれば、その敷居を下げることができます。また、将来のデスクトップ仮想化に対しての貢献度も高いでしょう」と語る。

　VNXeシリーズは、これまでエンタープライズを中心に拡販してきた市場のすそ野を一挙に広げる可能性がある製品なのだ。

　森田社長は、「無限の市場がそこにはある」と語る。それだけに同社の期待も大きい。ネットワールドでは、リセラーへの技術支援を強化し、EMC製品を活用することで付加価値を高めていく。