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クオリティソフト、確実にバックアップ/リストアを中堅・中小向けに

2011/06/03 19:55

 いま、企業の一番の関心事は、事業継続やDR(ディザスタリカバリ)だ。BCP(事業継続計画)に関しては、これまでその必要性が叫ばれてきたが、実際のところ、BCPをまともに策定している企業は上場企業ですら3割程度とのデータがある。また策定してもその後見直しなど、BCM(事業継続マネジメント)を行っていなかったケースも多い。しかし、震災を経験した今、企業ではBCP策定やBCMの重要性を改めて認識している。そういった中、要求が高まっているのが、人・モノ・金と並ぶ第4の資産「情報」の保護だ。その要求に向けて、クオリティソフトは、中堅・中小向けにバックアップ/リカバリ製品「QQR(Quality Quick Recovery)」を提供する。CDP方式のリアルタイムバックアップによって、今夏の節電にも貢献する製品だ。

求められる確実なバックアップ/リストア

 東日本大震災は、災害だけでなく、世の中をがらりと変える大きなインパクトをもたらした。例えば、これまで出社して仕事をするのが当たり前だったワークスタイルが、震災や停電で電車が動かなかったことで出勤困難者が続出。企業では、在宅勤務を取り入れる動きが始まっている。これは、今夏の15%電力削減目標達成に向けた節電対策の一つとしても検討されている。

 また、多くの企業では財産の一つである「情報」を保護する手段として、バックアップを取り入れている。だが、その8割はテープによるバックアップ。可搬性にすぐれるテープは、本社と別の場所に保管するのに適している。だが、被災地では津波によってテープが流され、復旧できない例が報告されている。また、復元するときの作業工数が多く、また定期的なカートリッジ交換が必要などの、デメリットがある。

 さらに、ディスクによるデータバックアップ製品は、大手メーカーの高額な製品が中心で、これまで中堅・中小企業で導入できる製品が少なかった。製品によっては、満足にリストアできない例もあるという。実際のところ、これまでコンプライアンス対策などで、とりあえず製品を導入して、バックアップしている“ふり”をすればいいという感覚の企業もあった。

 しかし、プロダクトマーケティング&カスタマーリレーション部の肥田雄一朗部長は、「今回は企業の本気度が違うと感じます。きちんとバックアップを取ることができ、きちんと直前の状態に戻すことができるという当たり前の機能が求められている」と語る。また、これまではバックアップデータといっても、できるだけ自社の近くに置いておきたいという考え方の企業が多かった。それが今回の震災では、BCPのガイドラインに従って60km以上離れた場所に置いても、同じ東京電力の管内にあったために輪番停電で同じグループに入り、バックアップできない企業があったことで、「できるだけ自社から離れた場所にバックアップデータを置いておきたい」という要望が増えている。

節電や在宅勤務にも貢献する「QQR」

 クオリティソフトのアプライアンス型バックアップ/リカバリ製品「QQR(Quality Quick Recovery)」は、今、中堅・中小企業からの引き合いが増えている。競合製品のディスク型バックアップ製品と比べ、4分の1程度の価格で提供。安価な高速バックアップ製品とアプライアンスを提供することによって、「このデータだけは守りたい」という中堅・中小のニーズに応える。




 CDP(継続的データ保護)方式のリアルタイムバックアップで、差分だけを取得するので、通信負荷を抑え、遠隔地でバックアップができる。フルバックアップ型の製品のように、業務終了後の夜間や休日にバックアップ作業を行わなくてすむ。また、リストアしたいときには、任意のリカバリポイントを指定して、すぐにデータを復元できる。アプライアンスで提供しているので、トラブルが発生しても、原因の切り分けが容易だ。また、万が一、管理者が出社できないときでも、他の社員が容易にデータをリストアできるという使い勝手のよさもポイントの一つだ。

 「これからは、15%の節電を達成するために、退社時間の定時以降の残業ができなくなったり、サーバを止めなければならない状況が出てくるかと思います。QQRなら、バックアップ時間も短縮できるので、節電対策にもなります」(肥田部長)。

 クオリティソフトは、日立ソリューションズが販売する「EUGRID PLATFORM Client Edition(以下EUGRID)」とクオリティのIT資産管理/ライセンス管理ツール「QAW」、そして「QQR」を連携するソリューション化を予定している。機密データの保護と在宅勤務を安全に実現するソリューションだ。

 「EUGRID」は、ユーザのプロファイルをPCからすべて抜き出し、社内のファイルサーバやクラウドに保存する製品。データを仮想化することで、ローカルPCからの情報漏えいを阻止する。「EUGRID」は、クライアントPCがActive Directoryに登録しているクライアントでなければ利用できないが、「QAW」と連携することで、Active Directoryに登録していない自宅のPCでも、データを利用することが可能になる。

 また、ライセンス管理機能があるIT資産管理ツールのなかで、唯一「ソフトウェア約款辞書」を提供している「QAW」を運用していれば、ライセンス契約情報に基づいた厳密な管理ができる。適正にライセンスを割り当てることができるので、場合によっては使っていないライセンスを自宅PCに入れることも可能になる。これによって、データのセキュリティを担保した状態で、安全に在宅勤務ができる。さらに「QQR」との連携によって、「EUGRID」で仮想化したデータのバックアップを同時に行うことができるようになる。

 高速かつ安価で重要なデータを保護することができる「QQR」。肥田部長は、「これまで、価格を理由に導入を躊躇する中堅・中小企業が多かったと思います。そんな企業に、ぜひ『QQR』を使っていただきたいですね」と語った。
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外部リンク

クオリティソフト=http://www.quality.co.jp/

「QQR」=http://www.quality.co.jp/products/QQR/index.html