ハードウェアやソフトウェアといった企業のIT資産を管理するツールが、ここにきて改めて注目を浴びている。クラウドサービスの利用やスマートデバイスのビジネス活用が拡大するにつれて、企業のIT環境が大きく変わっているなかで、IT資産管理は、コンプライアンスやコスト削減の面だけではなく、情報漏えいを防ぐなど、セキュリティの面でもこれまで以上に重要なツールとなっている。IT資産管理ツールを展開するベンダーは、このところ機能を強化した製品の新バージョンを投入しており、ユーザー企業の新しいIT環境に最適化したソリューションを提供することによって、ビジネスの拡大を図っている。
このセキュリティソリューション特集では、IT資産管理ツールの有力ベンダーであるSky、エムオーテックス(MOTEX)、インターコムの3社の直近の取り組みにスポットをあてて、それぞれの新製品の特徴を紹介する。
Skyは、セキュリティ対策ソフト「SKYSEA Client View」の最新版「Ver.8」を、今年11月に発売する。新バージョンは、マイクロソフトの次世代オフィスソフト「Windows 8」に対応しており、この製品を活用すれば、Windows 8のパソコンを管理することができる。マイクロソフトが10月末にWindows 8の発売を予定しており、新OSの登場をきっかけとして、パソコンの置き換え需要が活性化することが予測されている。今後、Windows 8搭載パソコンのユーザー企業が増えれば、Windows 8対応のIT資産管理ツールのニーズも高まる。
エムオーテックス(MOTEX)は、このほど発売した新バージョンのPC統合管理ツール「LanScope Cat」を用いて、ソフトウェア資産管理を強化することの必要性をユーザー企業に訴えている。具体的には、石川県が「石川県情報資産管理システム」をベースに開発したオープンソースソフトウェア「SARMS」に「LanScope Cat」を組み合わせ、ソフトウェアをリアルタイムに管理することができるソリューションとして、ユーザー企業のソフトウェア資産管理を支援している。
インターコムは、8月に情報漏えい対策とIT資産管理機能を備えるソフトウェアの新版「MaLion 3(Ver.3.40)」を投入した。新版では、組織のソフトウェア資産管理運用をサポートする各種台帳機能を改良。ソフトウェアの導入から廃却までのライフサイクルを一元的に管理することができるツールを実現している。
次項からは、各社の新製品の詳細を紹介する。
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