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<拡大するパートナービジネス>大塚商会 お客様の望むことをやり続け「街の電器屋さん」を目指す 価値あるディストリビューションを提供

2013/12/12 19:55

週刊BCN 2013年12月09日vol.1509掲載

 SI(システムインテグレーション)事業の展開をはじめとして、SIerなどを販売店とするディストリビューション事業を手がけるという、二つの顔をもつ大塚商会。最近では、ディストリビューション事業でサービスやサポートの強化にも力を注いでいる。製品の販売のほか、サービスやサポートを組み合わせることによって、販売店が受注から導入、製品のリプレース提案までをワンストップで提供する体制を整えた。販売店とのパートナーシップを深めて、ともに成長するために、新しいことに次々と取り組んでいるビジネスパートナー事業部を統括する塩川公男・取締役兼上席常務執行役員に、パートナービジネスの現状と今後の方向性について聞いた。

S&S事業の強化でワンストップ提供を実現

塩川公男
取締役兼上席常務執行役員
──最近は、どのようなビジネスを手がけているのですか。

塩川 これまでは、ハードウェアとソフトウェアも含めて“箱もの”を卸すというディトリビューションを手がけてきましたが、最近ではS&S(サービス&サポート)事業を強化しています。S&S事業では、クライアントやサーバー、LANなどの導入支援サービスをはじめ、教育や運用の支援に力を注ぐほか、当社のオフィス用品通販サイト「たのめーる」のインフラを使って販売店様が通販サイトを展開できる「たのめーる・パートナー・システム」も提供しています。販売店様がストックビジネスを手がけられるようにしようという狙いです。このように、単なるディストリビューションだけではない範囲までカバーすることで、販売店様とのパートナーシップを深めています。

──S&S事業が強みということですね。

塩川 その通りです。しかも、あくまで“黒子”として支援していることが販売店様のビジネス拡大につながっていると自負しています。先ほど申し上げた「たのめーる」のインフラ提供でも、販売店様は自社ブランドでユーザー企業様にオフィス用品を販売できる仕組みにしています。販売店様がオフィス用品の販売を通じて、ユーザー企業様との接点拡大を目的としています。単なる“箱もの”のディストリビューションだけでなく、付随するサービスやサポートも含めて提供していくことがポイントです。「たのめーる」以外にも例を挙げれば、販売店様がWindows XPマイグレーションを提案できるような環境を当社側で整えているのですが、これによって販売店様はクライアント端末が売りやすくなります。また、コンフィグレーションも当社側で行っているほか、OSだけでなくミドルウェアの領域まで販売店様をサポートしています。これは、子会社のネットワールドがユーザー企業様へ導入する機器を出荷前に検証・構築するために立ち上げた施設「PIC(プリ・インテグレーションセンター)」で実施しています。しかも、PICではアプリケーションを開発してSIを手がけている販売店様が、仮想化をはじめ、サーバーやストレージ、ネットワークなどを統合したコンバージドシステムをベースとして、販売店様の製品を組み合わせたソリューションを創造できるよう、検証する場を設けていることも売りにしています。

 ディストリビュータの役割といえば、これまではメーカー様やSIer様が抱えきれない在庫を引き受けて製品を卸すというもので、それだけでビジネスになっていました。しかし今は、製品のディストリビューションだけでは、差異化を図ることができません。そういった点では、S&S事業がカギを握っているのです。しかも、サポートやサービスの向上によって、販売店様が受注から導入、製品のリプレース提案までをワンストップで提供できることにもつながっているのです。

SIerの「今までとは違うビジネス」を支援

──ほかにサポートやサービスで強化している点はありますか。

塩川 教育の提供に力を入れています。当社が提供している教育というのは、ユーザー企業様がシステムを導入した後に、しっかりと運用できるような技術的なプログラムを中心に用意して、販売店様を支援するというものです。このような教育プログラムは、SIer様が行う領域だと考えていたのですが、販売店様の多くから、ユーザー企業様への教育は当社にやってもらいたいとの要請を受けています。先ほどのコンフィグレーション、またキッティングなどと同じで、当社が代わりに実施したほうが販売店様はコスト削減につながると考えておられる。

──SIerは、違うところでビジネスを拡大していきたい、と。

塩川 SIを手がける販売店様にとっては、極端にいえば単純作業のキッティングにSEのリソースを回すよりも、自社のソリューションを強める開発に集中させたいと考えておられるということです。キッティングやコンフィグレーションのビジネスは、収益が非常に確保しにくくなっている。ですので、そこは当社に任せて、販売店様は競合が真似できない“高度な尖がった部分”をSEが創造していくべきだと考えておられるのです。導入後のユーザー企業様に対する技術的な教育に関してもアウトソーシングして、代わりに業務の効率化や改革に関連したソリューションの提案など、ユーザー企業様をほかの側面から支援していきたいという販売店様が増えています。

──サポート面では修理に対して迅速に対応する「PSC(パートナー・サポート・センター)」にも定評がありますね。

塩川 PSCは、子会社のアルファテクノが提供している販売店様専用の窓口で、パソコンや周辺機器をはじめ、キッティングサービスからデータ復旧、廃棄時のデータ消去までをワンストップで提供しています。マルチベンダー対応の修理サービスが売りです。

 PSCを軸に、当社の修理サービスは、販売店様に加えてメーカー様からも評価をいただいています。あるメーカー様のサーバーに不具合が生じたケースがあるのですが、ほかのディストリビュータから仕入れたSIer様はユーザー企業様に対してメーカーへの修理依頼を伝えることしかできなかった。一方で、当社の販売店様は迅速な修理対応を行うことができました。


販売店の収益は確実に上がる

──「収益力」という点では、販売店にメリットがあるのですか。

塩川 収益は確実に上がりますよ。ハードウェアなどの製品は、極端にいえば、どこで購入しても、さほど変わりはありません。どこから買っても同じということであれば、充実したサービスやサポートを提供しているディストリビュータから仕入れたほうが、販売店様にとってはユーザー企業様に提案しやすいといえます。最近では、ますますサービスやサポートの向上を重視するユーザー企業様が増えています。ユーザー企業様の要望を聞いて、新しいサービスやサポートを提供していかなければならなくなった場合、これまでのサービスやサポートを提供するディストリビュータから製品を仕入れ、販売店様はユーザー企業様に対して違った側面から価値を提供していく。製品に関しては、結果的についでに仕入れていただけるということになりますが(笑)、当社がサービスやサポートを提供することは、販売店様、ユーザー企業様、そして当社にメリットをもたらすことにつながることだと確信しています。


──今後の方向性は?

塩川 当社は、連結会社のビジネスも含めて、販売店様をさまざまな角度から支援する体制を整えています。当社にご相談いただければ、販売店様がカバーできない部分をいつでもサポートすることができる。このような体制が、販売店様との強固な関係を築くことにつながっていると自負しています。「どうせなら、大塚商会から購入しよう」と、販売店様に意識してもらうことが重要で、引き続き、サービスやサポートを付加したディストリビューションを強化していきます。

 市場では、Windows XPのサポート終了によるパソコンのリプレース特需、クラウドをベースにしたモバイル端末の用途拡大など、ますますビジネスチャンスが拡大しています。とくにモバイル端末ではノートパソコンの需要が再浮上していることに加えて、スマートフォンやタブレット端末の法人利用がますます活発になってくるといえます。このような流れのなかで、販売店様は製品やクラウドサービスを組み合わせたソリューションの提供拡大に取り組もうとしています。当社も、サービスやサポートをさらに充実させて、販売店様とともにビジネスを拡大していきます。
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