バッファローは、管理機能を搭載したネットワークスイッチ「スマートスイッチ」の法人向け製品「BS-GS」シリーズを今年9月に発表した。7モデルを用意し、1万円台から購入できるという、スマートスイッチとして衝撃的な価格設定で、オフィス内のすべてのスイッチを統合的に管理できることをユーザー企業に提案。「Smart Switch with your Office」をキャッチコピーとし、ネットワーク統合管理を普及させる。

7モデルのラインアップを用意　価格は1万4800円からに設定

　バッファローがスマートスイッチとして発売した「BS-GS」シリーズは、8ポートを搭載した「BS-GS2008」、16ポートの「BS-GS2016」、24ポートの「BS-GS2024」、48ポートの「BS-GS2048」、電力供給の困難な場所でも設置できる「PoE（Power over Ethernet）」に対応した「BS-GS2008P」「BS-GS2016P」「BS-GS2024P」と、7モデルのラインアップが揃っている。どのモデルも、SNMP（Simple Network Management Protocol）機能の搭載で複数のスイッチを統合管理できるほか、ネットワークにつながっている端末の監視・制御を実現。50℃保証によって、温度が高い場所にも設置できる。センドバックなどサポートは、3年保証に加えてウェブでの登録で最長5年保証に延長することも可能だ。BBSビジネスユニットBBSマーケティンググループの鷲野哲也氏は、「これまでも管理機能を搭載したスイッチは提供してきたが、大きく変わったのは管理機能搭載のスイッチをリーズナブルな価格で提供するようになったこと」としている。例えば、BS-GS2008で1万4800円、BS-GS2016で2万4800円、PoE対応のBS-GS2008Pが3万4800円などだ。最上位モデルのBS-GS2048でも6万9800円に設定している。この価格帯は、既存のバッファローの管理機能搭載スイッチ（インテリジェントスイッチ）と比較して、半額以下。スイッチ業界にとっては、衝撃的な価格帯だ。

インテリジェント/ノンインテリジェント　双方のスイッチのリプレースを促進

　スマートスイッチのリーズナブル化によって、バッファローが狙っているのは2点。今までSNMPを使用して管理を行いたかったが、高価なため導入が進まなかったインテリジェントスイッチに代わって、スマートスイッチによる需要の開拓。また、管理したくてもできなかった、オフィス内でデスクの集合体ごとに配置されたスイッチ「島HUB（島ハブ）」の統合管理だ。鷲野氏は、「なかでも、島ハブのリプレースを促す」という。通常、オフィスでは管理機能を搭載していない製品を島ハブに設置している。島ごとにインテリジェントスイッチを設置すると莫大なコストがかかるからだ。「ユーザー企業のネットワーク管理者は社内のすべてのネットワークを管理したいとの意識がある。『管理機能搭載のスイッチは高い』という理由で導入を断念していたユーザー企業が、今回の製品で無理なく導入できるのではないか」と、鷲野氏は捉えている。

　島ハブのリプレースが増えることは、販売パートナーにとってもビジネスチャンスになる。鷲野氏は、「島ハブにコストをかけることができないという理由からリプレースが少なかった。これが、国内スイッチ市場を成熟させた原因になっていた。今回の新製品であるスマートスイッチの投入で他社製品からの乗り換えを促進できる」と訴える。

　バッファローのスイッチ関連ビジネスは堅調で「売り上げは、前年比10～20％増で推移している」と、鷲野氏は胸を張る。社内のコアネットワークのリプレースに加え、今後は島ハブのリプレースの促進双方にスマートスイッチを提案し、ネットワーク統合管理の普及に寄与することで「ユーザーの負担を軽減することができる」（鷲野氏）と自信をみせている。