日立システムズは、企業のビジネス拡大に向けた“クラウド三大活用シーン”を「サプライチェーン」「協業ソーシャル」「顧客とのコミュニケーション」に分類。同社は、自社で開発してきた100種類あまりのクラウドサービスを“クラウド三大活用シーン”に照らし合わせて再構成し、企業ユーザーの課題解決につなげる取り組みを強化。クラウドベンダーによって基幹システムをロックインされることなく、サプライチェーンのクラウド対応を実現したり、企業向けソーシャルによる情報共有、さまざまなメディアを活用したプロモーションの支援など課題解決型のサービスを相次いで投入している。

ロックインを徹底排除

中田龍二
クラウド事業推進統括本部
クラウドサービス拡販本部本部長
 クラウド三大活用シーンのうちでいちばんの売れ筋となっているのは、一つ目のサプライチェーンと密接に関連する基幹業務システムの領域である。製造業や流通・サービス業をはじめとするユーザー企業は、全国展開だけにとどまらず、広くアジア成長市場へ進出する動きが加速しており、展開地域に対応したシステムを迅速に、かつスモールスタートで開始できるクラウド基盤の活用が注目を集めている。しかし、いくら使い勝手がいいクラウド基盤とはいえ、その基盤に依存するようでは、従前の“ベンダーロックイン”と変わらなくなってしまい、ユーザー企業の導入の妨げにつながる。

 そこで日立システムズでは、日立グループのクラウドサービスや、「Amazon Web Services(AWS)」「Microsoft Azure」などパートナークラウドから最適な基盤を選択でき、基幹システムを容易に移行できるサービス「ERP・業務アプリケーション on クラウド」を考案。中田龍二・クラウドサービス拡販本部本部長は、「当社のサービスがユーザーの基幹システムとクラウド基盤の間に入ることで、特定のクラウド基盤に縛られることはなくなる」と説明する。

 同社の狙い通り、特定のクラウド基盤に縛られることに漠然と不安を抱いていたユーザー企業からも多くの引き合いが得られるようになり、「当社クラウド関連サービスのなかでトップクラスの売れ筋商材になった」(クラウドサービス営業部の渡邉淳弘氏)という。

個別に最適なサービスを組み合わせて一括提供

渡邉淳弘
クラウド事業推進統括本部
クラウドサービス拡販本部
クラウドサービス営業部
 クラウド三大活用シーンの二つ目に相当し、かつ先述のサービスと並んで売れ筋となっているのが「オフィスワーククラウドソリューション」だ。昨今では、オフィスはもちろん、出張先、自宅から社内関係者やお客様と情報共有する「協業ソーシャル」が強く求められている。このような状況のなか、多様化する端末やクラウドサービス、着実に整備が進むWi-Fiなどを上手く活用しない手はない。実際、「Office 365」などの情報共有サービスや、仮想デスクトップといった技術を使うことで、セキュリティを担保しつつ、多様なワークスタイルに追随することが可能となる。オフィスワーククラウドソリューションでは、スマートデバイスを初期設定した上で配布するキッティングサービスから、クラウドサービスやネットワーク、セキュリティに至るまで「必要なサービスを一括提供する」(渡邉氏)ことで、企業のソーシャル化を支援する。同社では、このソリューションの積極的な提案に乗り出したところ、「引き合いは堅調に増えている」(中田本部長)と、確かな手応えを感じている。

 クラウド三大活用シーンの三つ目は、「顧客とのコミュニケーション」だ。スマートデバイスの登場により、どこでも顧客とつながることができる昨今、ウェブや問い合わせ窓口など顧客接点の重要性は日々増大している。こうした状況のなか、同社では、ウェブに最適なクラウド基盤およびアプリケーションの選定・構築・運用に加え、システム操作に関する問い合わせや注文受付、お客様相談室を含む一元的なコンタクトセンターサービスなど、ユーザー企業の売上増や顧客満足度向上に役立つサービスの拡充に力を入れる。

 同時に、クラウド活用の最大の課題ともいえる情報セキュリティにも十分な対策がなされているのが同社のクラウド事業の特徴だ。情報セキュリティの運用や監視、分析、対策といった一連のサービスを同社の「セキュリティ・オペレーション・センター(SOC)」を中心に24時間体制で提供するとともに、2014年10月にはSOCサービスを一段と充実させるためサイバーセキュリティ専門会社のセキュアブレインをグループに迎え入れ、従来にも増して安心したクラウドサービスの提供を可能にしている。

 日立システムズでは、単なるコスト削減だけにとどまらず、クラウド三大活用シーンをベースに、中堅・中小クラスのユーザー企業とビジネスモデルをともに創造し、お客様の売上拡大に向けて全力で取り組んでいく。