保守サポート切れシステム(EOSL/EOLシステム)の保守・リペアサービス事業を展開するデータライブが急成長している。過去4年間の契約台数は平均1.8倍もの伸びで推移、メガバンク、大手通信事業者、電力などの社会インフラ企業も顧客とし、今後5年で10万台の契約を見込む。「ハードウェアの延伸を単なるコスト削減と考えず、戦略的投資につなげてほしい」と語る山田和人代表取締役は、日本に第三者保守市場を確立することを目指している。

システム延伸によるコスト削減で新規投資の原資を生み出す

山田和人
代表取締役
 2003年設立のデータライブは、当初、受託開発からスタートし、リユースしたPCやサーバーの売買を手がけていた。その後、リユース機器を利用していた顧客の本来のニーズを採り入れ取り組んだのが、メーカー保守が終了したハードウェアの延伸サポートだ。09年に、日本初となる本格的な保守サポート切れシステム(EOSL/EOLシステム)保守・リペアサービス事業を開始。ネットワーク機器、ストレージ機器にもサポート対象を広げて、独自の保守技術開発体制とサービス体制を構築してきた。15年4月には、さらなるサービスの品質向上とワンストップサービスの提供に向けて、東京都荒川区に東京テクノセンターを開設した。

 このサービスの意義について、「日本は少子高齢化で労働人口が減り、市場も縮小していくなかで、企業には今まで以上の自動化、効率化に加え、新ビジネスの創造(価値の創造)が求められる。その命題に対し、ITの枠内でできることを考えた結果が、保守サポート切れシステムの延伸だった」と山田代表取締役は振り返る。

 企業が変化を求められる一方、日本のIT機器は、昔からメーカーのいわれるままに5年程度のサイクルで更新している。「それをあたりまえのように受け入れているが、本当にすべてのIT機器を同じサイクルで更新する必要があるのか、ぜひ、考えてほしい」(山田代表取締役)という。今までは、メーカー保守以外の選択肢がなかった。そこに質の高い第三者保守という選択肢を加え、IT機器の保守市場に新風を吹き込むことを目指している。

 「もちろん、高パフォーマンスを要求される業務のシステムなど、短いサイクルの更新が欠かせない機器もある。だが、今、安定稼働しているシステムをあえて更新しなくても、支障がない業務も少なくない。それよりも、新規ビジネスなど、新たな価値を生み出すための戦略的投資こそ優先すべきだ」と山田代表取締役は力説する。

 もともと、日本企業のIT投資は、既存システムの運用管理に約7割が向けられ、ビジネスの成長や変革のための投資は3割に過ぎないとされる。だが、システムを2~3年延伸することができれば、15年間で2回のシステム公開を想定した場合、約30%のコスト削減が可能になるケースもある。


 「こういった取り組みを全社システムで行い更新のタイミングで延伸ジャッジを行えれば、短期間で大きなコスト削減ができ、競争力を強化するための新規投資の原資を確保することができる。そして、IoT、ビッグデータ、FinTechなどへの投資につなげてほしい」と山田代表取締役は語る。

システム延伸は平均1.8倍の伸び日本を80万台の第三者保守市場に

 データライブのシステム延伸サービスは、大きく業績拡大を続けている。過去4年間の契約台数は平均1.8倍もの伸びで推移しており、21年までには、契約台数10万台達成を見込んでいる。近年では、その実績が評価され、メガバンクをはじめとして、大手通信事業者、電力などの社会インフラ企業などが、すでに取り組みを始めている。

 大企業ほど保有するIT機器が多く、システム延伸によるコスト削減効果がより大きくなる。しかも、パフォーマンスはそれほど必要としないが、安定稼働が何よりも重視される管理系システムも数多く抱えていることから潜在的なニーズが高い。

 日本国内で現在稼働しているサーバー、ストレージ、ネットワーク機器の合計数は約600万台。うち保守契約されている機器は約7割の400万台と、データライブでは推測している。だが現在、メーカーではない第三者保守はわずか1%未満に過ぎない。一方、エンタープライズ向けIT機器の中古市場が早くから存在し、第三者保守市場が確立している米国では、約20%を第三者保守が占めている。

 「日本も第三者保守が認知されれば、同様の市場規模に成長する余地が十分にある。米国を例に挙げれば、約80万台の第三者保守市場が生まれる。まずは、今後5年間で10万台の契約を目指しており、最終的には60万台へと伸ばしていきたい」と山田代表取締役は話す。

 「まだまだ、日本における第三者保守の認知は低い。日本で第三者保守市場を確立していくためにも、60万台がサービスを利用してくれるようになったら、私たちの存在が知られた状態といえる。そうなれば、“IT資源の最適化”という私たちのミッションが実現できるはず」と山田代表取締役はアピールする。