SIビジネスが加速、18年は「大きく飛躍」
アマゾン ウェブ サービス ジャパンの今野芳弘・パートナーアライアンス本部本部長は、「“移行・IoT・AI” アマゾン ウェブ サービス(AWS)最新動向と2018年 SIのビジネスチャンスとは?」をテーマに講演し、「クラウドのSIビジネスは加速しており、18年は大きな飛躍の年になる」と呼びかけた。
今野芳弘
パートナーアライアンス本部
本部長
今野本部長は、「数字で見るAWS」として、世界190か国で数百万人がサービスを利用しているほか、世界で数万社のパートナーがいることを紹介。米ガートナーの市場調査で、16年は4割以上の世界シェアを獲得したことも示し、トップベンダーとして常に革新を続けていることを説明した。
クラウド市場の動向では、米国証券保管振替機構(DTCC)が17年5月に発表したホワイトペーパーで、「クラウドのサービスは、その機能、堅牢性、セキュリティにおいて、オンプレミスのデータセンターを上回るに至ったといえる」との評価が掲載されたと紹介。幅広い規制や保証プログラムに準拠し、多くの金融機関が利用するAWSの優位性をアピールした。
また、金融機関だけでなく、IoTの領域でも、スマート家電や飲食業の生産管理などの目的でAWSの利用が広がっていると説明した。このほか、人工知能を活用したテキスト読み上げサービス「Amazon Polly」が、FM放送局の人工知能アナウンサーとして活躍していることも例示し、さまざまな業界でAWSを使った革新が起こっていると話した。
企業の革新については、最新テクノロジーを使って新しいビジネスモデルを創出する「デジタルトランスフォーメーション」と、既存システムの効率化やコスト削減などを目指す「ITトランスフォーメーション」があるとの見解を示し、両面で活用できるクラウドを、「サーバーの延長線ではなく、ビジネスプラットフォームとしてしっかり認識するべき」と呼びかけた。
今後のIT市場の見通しについては、「例えば、AWSでITインフラを構築する場合、わずかなコマンドで、オンプレミスと同等以上のシステムが構築できる。しかもキャパシティプラニングは不要で、従量課金でユーザーはすぐに利用できる。DR構築なども容易になる。販売やインテグレーションといったインフラのビジネスモデルは、今後数年で大きく変わるだろう」と予想しているという。さらに「企業はクラウドを使ってトランスフォーメーションしようとしており、ここにパートナービジネスのチャンスがたくさんある。しっかり潮流に乗っていくことが非常に重要になる」と、今野本部長は参加者に呼びかけた。