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日立製作所 世界各国に販売網を展開する国産ソリューション 進化を続ける 統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」

2018/03/22 09:00

週刊BCN 2018年03月19日vol.1719 第2部掲載

 日立製作所の統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」は、長い歴史のなかで時代に合わせた数々の機能を取り入れてバージョンアップしてきた。同時に、その販売先も世界中のさまざまな国や地域へと拡大。日系企業のみならず、現地企業にも数多く導入されている。JP1を中国や東南アジア諸国へ展開するために販売・サポート網の構築を担当してきた日立製作所の石島博史氏と中村哲也氏に話を聞いた。

20年以上にわたり進化を続けてきた
統合システム運用管理ソフトウェア

 ITシステムの運用管理で、JP1の名を多くのエンジニアが知っているのではないだろうか。バージョン1(V1)の販売開始は1994年。IT基盤の主流がメインフレームからオープン系へと移り変わり始めた時代に、メインフレームと同じようにオープン系を運用できるようにするジョブスケジューリングが最初の製品だった。以来、20年以上の歴史のなか、モニタリングやパフォーマンス管理など、多彩な機能を追加し、製品ラインアップを拡大しつつ、IT環境の変革に合わせたバージョンを重ねてきている。

 最新バージョンは、2017年10月31日に発表されたV11.5だ。さまざまなビジネスにおいてデジタルシフトが加速しているなか、最新のバージョンアップでは、多様化・大規模化する業務システムへの対応を強化したほか、システム健全性維持のための監視・可視化機能の拡充などが盛り込まれた。
 

日系企業のみならず
現地企業でも採用

石島博史
IoT・クラウドサービス事業部
運用マネジメント本部
主任技師

 JP1にはさまざまなカテゴリの製品が含まれているが、このうちジョブスケジューリングにおいては、グローバル市場でトップレベルのシェアを誇っている。日本国内の多くの企業で利用されていることも大きいが、世界各国で導入されていることも要因だ。「ユーザーのエリアは中国や東南アジア諸国、ヨーロッパ、北米、南米まで世界中にわたる。とくに多いのは日系製造業だが、現地企業なども合わせて約1450社(17年12月時点)のユーザーに導入いただいている。日立製作所やグループ企業も、JP1の販売・サポート体制をグローバルに展開してきた」と石島氏は語る。

 日立製作所が直接契約している販売拠点は、中国の北京・上海・深セン、さらにシンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、韓国、インドなどにある。

 このほかヨーロッパや北米にも直接契約の販売拠点があるほか、国内外のSIパートナーの海外現地法人も数多く、ほぼ世界中でJP1が販売されている。石島氏と中村氏は、こうした販売・サポート網の構築に長年携わり、各地の拠点設立に関わってきた。

 「2000年代は、自動車部品メーカーなどの日本の製造業が相次いで東南アジアや中国へ進出してきた時代。それに合わせるかたちで、われわれも販売・サポート拠点を展開してきた。進出してしばらく経つと、日本を含めたアジア全域でのITシステム運用統合化などが多くの企業で図られ、JP1はそういったニーズにも役立てられている」(石島氏)

 中国では市場ニーズの大きさもあり、現地IT企業との連携も含めた販売チャネル増強を2000年代後半に行っている。

海外ユーザーが採用する最新技術にも
日本の設計チームとの協力で対応

 実際のユーザー事例をみてみよう。ある製造企業A社では、02年にタイ工場の生産管理システムでJP1を導入。翌年にはA社の中国・上海拠点、その後、チェコスロバキア、インド、ベトナム拠点へと順次展開。海外で初の生産管理システムの導入となったタイ工場だが、次の上海でも同じシステムが導入され、日立側は開設したばかりの上海オフィスからもサポートを行ったという。また、プラットフォームには当時の最新技術であったItaniumサーバーが採用されたが、JP1がItaniumに未対応だったことから、導入支援チームからJP1設計チームに働きかけ、早期の対応を実現したという。
 

中村哲也
IoT・クラウドサービス事業部
運用マネジメント本部
主任技師

 「こうした基盤製品では、日本国内より海外の方が最新技術を早く導入することが多く、まだ日本で使われていない製品が採用されることも少なくない。対応するには設計チームの協力が不可欠のため、われわれとしては、『少し後になれば日本でも使われるようになる』と説得して動いてもらった」と、中村氏は説明する。

 A社のように複数の国で製造拠点をもつ企業は、そのうち一つを「マザー工場」として共通のシステムを導入し、その後、他の工場に展開することが多い。A社はタイ工場をマザー工場としており、16年のインドや17年のベトナム展開に際しては、日立の現地拠点同士が横連携し、マザー工場からシステム情報や設定情報を新たな工場に展開。インドでは、わずか3日間というスピードでJP1の導入作業を完了している。各国に広く展開された販売・サポート拠点網が、まさに功を奏した事例といえる。
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外部リンク

日立製作所=http://www.hitachi.co.jp/jp1