【SMB向けビジネスの必須科目10】連載『SMB向けビジネスの必須科目』では、全国のSIerやIT販社が、ユーザー企業の変革をビジネスパートナーとして支えるために抑えておくべきビジネスやITのトレンドを「キーワード解説」の形で紹介していく。第10回は、新型コロナウィルスで対策が急務になっているテレワークの「ビジネスチャット」を紹介する。

「ビジネスチャット」

 新型コロナウイルス感染症対策に伴う緊急事態で、テレワークを実施する企業が急増している。モバイルデバイスやクラウドサービスの普及により、どこでも仕事ができる環境は整いつつあるが、コミュニケーションはこれまで同様に電話とメールというケースが多い。

 その際に課題となるのがコミュニケーションの遅延と質の低下である。そこで、スマートフォンのメッセージアプリのように簡単に対話ができるビジネスチャットが、メールに変わる連絡手段として注目されている。

 ビジネスチャットは、離れた環境にいるチームメンバーの意思疎通に役立ち、リモートワークに限らず普段の業務効率向上にも有効である。文面がシンプルになり、返信が速い、モバイルデバイスからも使いやすく、資料の共有も素早く行えるなどのメリットがある。

 ビジネス向けにセキュリティ機能、大容量データの保存、タスク管理やビデオ通話、スケジュール管理などさまざまな機能が搭載されている。他システムと連携し、通知や承認のインターフェースにもできる。

 代表的なビジネスチャットツールには、日本企業向けに開発されている「Chatwork」、グローバルやIT業界で導入率の高い「Slack」、Office 365にバンドルされている「Microsoft Teams」、LINEのビジネス版「LINE WORKS」などがある。

 ただし、導入にあたってはデメリットもある。まず、ビジネスとプライベートの境目が曖昧になってしまいがちということ。LINEのようにスマートフォンにダイレクトに通知が来るため、休日や就業後などのプライベートの時間にも仕事が入り込んでくる。働き方改革で入れたのに、ワークとライフのバランスを壊すようでは意味がない。

 リテラシー系の問題もある。LINEネイティブ世代と上司世代では、チャットに対する肌感覚が異なる。言葉遣いの問題をはじめ、矢継ぎ早の返信、質問の連打などは不慣れな人間や苦手な人間には圧力でしかない。上司から無神経に通知相手も絞らず闇雲に発せられるメッセージは、パワハラである。

 そのため製品を販売する際には、使い方のサポートや業務改革の提案まで踏み込んで行うべきである。例えば導入時にユーザー企業の上の人間に立ち会ってもらって、自分事と認識させ、使い方やマナーを中心としたメリットとデメリットを説明し、最初の段階でボトルネックになりそうなところに手当をしておくといった配慮も必要である。

 この難局で、ビジネスチャットツールの無償提供も行われている。同時に、中小企業ユーザーにはビジネスチャットの使い方を教えて欲しいという思いもあると考えられる。自社製品が無いSI会社などは、そういった形での奉仕も可能である。

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