ネットワールドは2020年12月4日に、毎年恒例のパートナー向けイベント「ネットワールド IBM Day」をオンラインで開催した。今回は、IBM×ネットワールドの座談会形式セッションを通じて、ニューノーマル時代を象徴するソリューションであるコンテナ/Kubernetes、OpenShiftの活用をテーマに、IBM Cloud Paksの活用、ネットワールドが注力する「Diamanti」との協業、さらに、5G時代のデータ管理およびストレージの選択について解説した。

コンテナの実装をサポート
「IBM Cloud Paks」

 今年のIBM Dayのテーマは、「ニューノーマル時代を勝ち抜くインフラに必要なこととは~アプリケーション実行基盤とデータを語る座談会」。第1部では、ネットワールドの若松大介氏がモデレーターを務め、「まだ遅くない!アプリケーション実行基盤の3つのポイント」と題してセッションを行った。

   まず、ネットワールドの鈴木圭介・ソリューションアーキテクト課係長が「コロナ禍で世の中が激変し、働き方もテレワーク、デジタル化など変化を余儀なくされている。そのインターフェースとなるアプリをどう働かせるかが課題であり、実行基盤としてのコンテナ、Kubernetesが注目されている」と語った。

 それを受けて日本IBMの小島克俊・オープンソースエコシステム担当部長は「コンテナ、Kubernetesを使用している人と使用していない人のかい離が大きいが、今やエンタープライズ分野でもインフラをコンテナで稼働させている事例も目立つ」と指摘した。

 コンテナは仮想マシン(VM)と混同されがちだが、リソースの共有においてOSから変更できるのがVMだ。一方でコンテナはOSを持たず、ホストOSとプロセスを共有する。そして、Kubernetesは多数のコンテナを管理するためのオーケストレーションソフトだ。

 コンテナ/Kubernetesにおけるアプリ基盤選定のポイントは、「スピード、安定性、セキュリティの観点で選択すべきであり、加えて、アプリとミドルウェアの視点、プラットフォームの視点も必要である」(鈴木係長)という。

 小島部長は「コンテナ/Kubernetesのようなオープンソースソフトウェア(OSS)のメリットは、所属会社が異なるプログラマーが一つのソフトをつくるため、競争により品質が高まりやすい点だ」と話す。IBMはOSSのコミュニティー活動に多くの人員を割き、注力している。

 鈴木係長は「プラットフォームの視点では、ハードでは稼働させるハードの選択、ソフトではスピード、安定性、セキュリティとコンポーネントが課題となる」という。例えば、Kubernetesは年1回のペースでバージョンアップが必要だが、OSSでシステムを組む場合、セキュリティ対策、情報への追随(そのチェックと影響)を含め、自分たちで対応できるのかが問われる。その点、商用のKubernetesなら、周辺機器も含めてサポートしているとした。

 小島部長は、ユーザーがコンテナを実装する際の課題に対応し、IBMはソフトウェアのパッケージ群「IBM Cloud Paks」を用意していると語る。Cloud Paksは、IBMのミドルウェアをコンテナ化したもので6分野の製品群をラインアップする。また、IBMではすべてのアプリをコンテナ化していく方針だという。

 鈴木係長は「Red Hatが提供するコンテナベース基盤『OpenShift』はクラウドでもオンプレでも稼働する。Operator(オペレーター)によってKubernetes上のワークロードの運用を自動化でき、また、OpenShift、OSのバージョンアップにも対応できる」と説明する。

 また、ネットワールドが取り扱うHCI「Diamanti」についても触れた。Diamantiは、コンテナ/Kubernetes/クラウド向けに最適化された唯一のHCIソリューションだ。コンテナ環境の導入を簡素化することを目的として開発され「15分でKubernetesのインフラ環境を展開できる」とメリットを語った。

大量データのアーカイブ先に
テープが注目を集める

 第1部の最後には、第2部につながるテーマとしてストレージのポイントを日本IBMの田中裕之・ITスペシャリストが語った。

 コンテナの場合、トラブル時にシステムが落ちると新たに立ち上がるが、何もしないとデータは引き継がれない。そこでデータを保持しておくものが必要でありストレージが重要だという。OpenShiftはオブジェクト/ブロックの両ストレージが使用できる。全てのIBMストレージはOpenShiftに対応しており、コンテナ環境のバックアップソリューションも年内にリリース予定だ。

 第2部のテーマは、「5G始動!ストレージはどうする?次世代データ管理を考える」。

 5Gは、高速、大容量、多接続、低遅延という特徴を持ち、自動運転、遠隔医療、リアルタイムの感覚共有が可能となるが、膨大なデータの扱いが課題となる。データを使ってアプリの改善を図るには、保存するキャパシティの問題も生じてくる。重要な点は、アーカイブ、つまり、データを容易に引き出して使用できるようにすることだと鈴木係長はいう。

 田中氏は「IBMでもエッジ、IoTソリューションを提供しており、今や、ペタバイトクラスのデータでも驚かない。しかし、この膨大なデータを人手で振り分けるのは不可能なため、適切なコストのストレージに自動で振り分けする階層化の仕組みが役立つ」と話す。その際に階層化データのアーカイブ先として注目したいのがテープだ。国内でもテープによる階層化事例は多い。

 一方、オブジェクトストレージの活用例も増加している。クラウドは意外とコスト高になることもあるため、オンプレでのオブジェクトの運用もお勧めだという。

 では、ストレージは階層化、オブジェクトのどちらが良いのかという問いには「ファイルアクセスが中心で、古いデータへのアクセス頻度は低い、消費電力をおさえたいというユーザーにはテープを活用した階層化が向く。クラウドに慣れている、クラウド前提のアプリを使う、リモートアクセスにはオブジェクトが向く」とした。田中氏は「IBMのテープ開発チームは日本にもある。テープは大容量を低コストで保管できる、今も進化し続けている技術」と語った。

 最終的なまとめとして鈴木係長は「OSSベースでOSSを活用する世界に変化してきている。それをエンタープライズにもっていく手法が重要」と語り、「IBMと組むことで、工数削減だけでなく、他の優先すべき開発に注力できることは大きなメリットだ」と語った。