金融業向けのシステム開発に強みをもつ日本システムディベロップメント(NSD)は、かねてから「一生客」のニーズを深耕する「垂直型」ビジネスモデルと、ソリューション提供によって新規顧客の開拓を図る「水平型」のビジネスモデルの二つを展開する。同社はいま、2年後を見据えて新しい施策を打っている。
「一生客」を増やす取り組み
──社長に就任されたのが2009年4月です。それから1年弱が経ちますが、昨年を振り返っていかがでしたか。大手SIerの第2四半期の決算短信を見ると、軒並み▼がついていたのが印象的でした。
今城 大不況ということもあって、09年はかなり苦しい年でしたね。景気のいい時期に、将来を考えた施策を打っておかなければならなかったと反省しています。
全体的にITシステム投資が伸び悩んでいるなかで、金融関連ではいくつかの案件を獲得することができました。これまで当社からは500人以上の人材を投入していたメガバンクでの統合対応が一段落しましたが、これについては責任をもってアプローチできたことは評価すべき点だと思っています。加えて、地方銀行での統合対応や、クレジットカード大手の新システム開発などを獲得することができました。ですが、この間に別のメガバンクでの新システムの計画などもあったようですね…。
また、当社は在京キー局に導入実績のある、選挙番組用テロップ送出システム、選挙データ集票システムといった選挙関連ソリューションを10年ほど手がけています。09年は「政権交代」という政界のビッグイベントがあったので、放送関係はかなり期待をしていたのですが、なかなか伸びませんでしたね。地方局については導入がゼロに近いです。本当に困っているシステムでなければ、後回しになってしまうということなのでしょう。
──NSDでは、長い間の取引がある、「一生客」と呼ぶ大口顧客のニーズを深耕する「垂直型」のビジネスモデルと、ソリューション提供を切り口として、新規顧客を獲得する「水平型」のビジネスモデルを併行展開しておられますが、このスタンスはこれからも変わることはありませんか。
今城 「垂直型」のビジネスモデルは売上高構成比が依然として高いため、基本に据えていきます。一方で、規模が大きくて安定している大口顧客をどれだけ「一生客」として増やしていけるかが、今後の課題と捉えています。
昨年の春には、東京電力の子会社であるテプコシステムズさんと共同出資し、テプシスソリューションズを設立しました。当社からすると、テプコシステムズが東京電力グループであることから、将来的には一生客として案件を受注できる可能性がありますし、また、テプコシステムズさんからすると開発能力を高めるのに都合がよいということで、お互いにメリットがあって、新会社の設立に至りました。
2年後を見据え「ビジネス開発部」を設置した。
「人出し」ビジネスを変えていかなければならないと思っている。
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