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デル 3年間で600億ドルの売上規模に 戦略的市場に日本と中国

2004/08/02 21:07

週刊BCN 2004年08月02日vol.1050掲載

 7月16日付で米デルの社長兼CEO(最高経営責任者)に就任したケビン・ロリンズ氏(<b>=写真</b>)がこのほど就任後初来日し、記者会見を開いた。ケビン社長兼CEOは、「今後3年間で600億ドルの売上規模を目指す」として、パソコンおよびサーバー分野で確固たる地位を築いていく方針だ。売り上げを増やすため、日本や中国などアジア地域を戦略的な市場とみている。日本法人は、、、

 7月16日付で米デルの社長兼CEO(最高経営責任者)に就任したケビン・ロリンズ氏(=写真)がこのほど就任後初来日し、記者会見を開いた。ケビン社長兼CEOは、「今後3年間で600億ドルの売上規模を目指す」として、パソコンおよびサーバー分野で確固たる地位を築いていく方針だ。売り上げを増やすため、日本や中国などアジア地域を戦略的な市場とみている。日本法人は、今年度(2005年1月期)第2四半期でパソコン市場で12%を超える見通し。日本市場では、シェアを近い将来に18─19%と、ワールドワイドでのシェアと同じレベルまでもっていき、国内でのトップシェアを狙う。記者会見の骨子は右のとおり。

 ──今後、5-10年を見据え、パソコンやサーバーなどの分野で生き残るメーカーは。

 統合や淘汰は、現時点でも起こっている。ヒューレット・パッカード(HP)とコンパックコンピュータの合併は良い例だ。どの企業が撤退するのかは言えないが、1つの過渡期を迎えている。

 ──ソフトウェアをASP(アプリケーションの期間貸し)で提供することが進んでいるが、デルのビジネスに影響を受けるか。

 ソフトに関しては、マイクロソフトとSBS(スモール・ビジネス・サーバー)での提携、オラクルやSASなどとのパートナーシップにより、中小企業を対象に顧客企業を増やす体制が整っている。そのため、ソフトをASPで提供することが主流になるとしても、気にはしていない。顧客のニーズにあった提供であれば、どのような方式でも構わない。

 ──顧客満足度が下がっているが。

 確かに下がっていることは認める。しかし、これまで顧客満足度については当社の評価が高かったと自負している。そのため、今後はさらに(顧客満足の向上に)フォーカスすることで評価を高めていくつもりだ。

 ──デルはサーバー分野のOSでウィンドウズのほうがコストが下がると提唱している。顧客企業は、オープン化を進める際、ウィンドウズとLinuxのどちらを望んでいるのか。

 当社は、ソフトで利益を上げていない。OSに関しては、顧客ニーズに合ったものを提供していく。しかし、現段階ではLinuxという声が高まっているが、全体の1割程度でしかなく、ウィンドウズのほうが圧倒的にニーズが高いのが事実だ。

 ──日本法人がパソコン市場でのシェアを伸ばしている。日本市場でのシェアがワールドワイドに匹敵するシェアまで上がるのは何年先か。

 当社のシェアは直近で18%を超えるシェアに達している。日本市場では、今年度の第1四半期に10.5%、第2四半期は12%を超えるシェアに達する見込みで、順調に伸びている。何年先に18%を超えるシェアにするという目標は定めていないが、近い将来に18-19%になると確信している。また、当社では中国でのマーケットシェアを高めることにも力を入れる。中国は、テクノロジーのニーズが日本や米国を上回る可能性を秘めている。日本と中国といったアジア地域を戦略的な市場とし、売り上げを伸ばしていく。
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