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NECソフト 情報漏えい防止パッケージ拡販 部門サーバーとパソコン向けで

2004/08/30 21:06

週刊BCN 2004年08月30日vol.1053掲載

 NECソフト(池原憲二社長)は、企業の部門別サーバーとパソコン向けのセキュリティ製品を9月から本格的に拡販する。企業内部からの情報漏えい事件が頻発し、来年4月には個人情報保護法が施行されるため、内部情報漏えい対策に関する需要が拡大すると判断。両製品は、インストールするだけで簡単に利用できるようパッケージ化されており、システムインテグレーションを必要としないため、大手ディストリビュータなどを通じ販売する。

 今回発売する部門別サーバー向けのパッケージ「セキュリティプラットフォーム・ベーシック・エボリューション/レディ」は、企業が持っている個人情報や技術情報などの電子ファイルを保護するため、印刷やファイルコピー、画面キャプチャーなどの操作をフォルダ単位に制限。企業外部への持ち出しを防止する。保守サービスの一環で、情報漏えいが起きた場合の賠償責任保険もつけている。

 セキュリティプラットフォームは、業務アプリケーションベンダーのハミングヘッズが開発した。NECソフトは2003年から大企業向けシステムインテグレーションサービスの一環として提供し、数万ライセンスの導入実績がある。これを部門別サーバー向けに改良し、簡単に導入できるようパッケージ化した。価格は、20クライアントの場合でパッケージのライセンスと1年間の保守費を含め約1000万円。

 部門別サーバーのセキュリティに注目した理由について、大谷俊一・MCシステム事業部セキュリティ部部長は、「部門別の共有サーバーから情報が流出する例が増えている。基幹系サーバーの対策は整い始めたが、部門別サーバー向けセキュリティ対策はこれからの企業が多い」と、部門サーバー向けの需要が高まるとして、今後3年間で100社へ販売し、約3億円の売上高を見込んでいる。

 一方、パソコン情報漏えい対策ソフトウェアとしては、既存ソフトの「ポイントセック」に外部記録メディアとローカルフォルダの自動暗号化機能を追加した最新版を9月上旬から発売する。USBメモリやCD-ROMなど外部記録メディア単位で暗号化を可能にしているのが特徴。パソコンをメディアごと社外に置き忘れたり、盗難にあった場合のデータ漏えいを防ぐ。

 ポイントセックは、20ライセンスで19万8000円(税別)から。ポイントセックの販売と組み合わせた保守・サービスを含め、今後3年間に約7万ライセンスで約10億円の売上高を目指す。

 同社では、両製品を軸に、大企業の部門や子会社、中堅・中小企業など小規模システム案件の拡大を狙っている。
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