野村総合研究所(嶋本正社長)は、医薬品業界向けの電子化推進プログラムである規制対応プラットフォーム「Good Regulatory Platform」(GRP)の展開で苦戦している。瀧澤浩・ヘルスケアシステム事業部長は、「思ったよりも市場の立ち上がりに時間がかかっている」として、厳しい状況を打ち明ける。とはいえ、将来の見通しは明るいようだ。

将来の見通しは明るい

 GRPは、「ER/ES CSV規制対応ポリシー策定支援」と「記録管理の高度化支援」「文書管理の高度化支援」の三つのソリュ―ションを提供している。

 高田智治・ヘルスケアシステム事業部グループマネージャーは、医薬品メーカー間で、規制に対する警戒心が先行していたことや、電子データに対する信頼性の欠如、システム投資にコミットメントするリーダーの不在などが従来の障害になってきたと分析する。ただ、近年は業界全体で「勉強がなされてきた」(高田グループマネージャー)とみる。瀧澤部長も「業界の理解は進んでおり、変わるタイミングだと思っている」と期待は大きい。M&Aや海外進出に伴うグローバル化は今後さらに加速するとして、ビジネスチャンスの増大を見据えている。

 医薬品メーカーは、2010年前後に大型医薬品の特許が切れ、経営の変革を迫られている。文書・データの電子化がその一つだ。コンピュータシステムバリデーション(CSV)や米国の「21 CFR Part11」、厚生労働省の「ER/ES」など、医薬品業界ではグローバルの規制要件・業界標準に準拠した情報システムのライフサイクル管理が求められている。(信澤健太)