コンピュータシステム販売店協会(JCSSA)とコンピュータソフトウェア協会(CSAJ)が中心となって設立した情報システム取引者育成協議会は、9月中に、情報システムの取引を行うSIerなどの担当者を対象に、制度説明会、研修講座、修了テストからなる「情報システム取引者プログラム」を実施する。経済産業省と両団体などが策定した「情報システム・モデル取引・契約書〈追補版〉」(モデル契約)の利用促進が目的で、今年度(2011年3月)中に200人の修了者を輩出する計画だ。

今年度、200人の修了者目指す

 モデル契約は、情報システムの契約などで起こるトラブルを解消するため、経産省がJCSSAとCSAJに呼び掛けて策定した。とくに、ITに関する専門知識のない中堅・中小企業(SMB)ユーザーに対する取引を対象に、パッケージソフトを利用した契約を想定しているのが特徴だ。情報システム取引者育成協議会が実施する情報システム取引者プログラムは、経産省が策定したeラーニングコンテンツなどを利用する。

 具体的には、モデル取引・契約の必要性やeラーニングコンテンツでの学び方を説明する「制度説明会」を受講したあと、このコンテンツで必須の専門知識や実践的なノウハウを学ぶ「集合研修」を受け、最終的に学習成果の習熟度をチェックする「修了テスト」で合否が判定される。合格者には、ユーザー企業に提示できる「修了証」カードを発行する。9月は、「制度説明会」を15日に、「研修講座」と「修了テスト」を16日に行う。

 対象者は、SMB向けに情報システムを提供するSIerなどITベンダーで、契約書を作成し、ユーザーに内容説明などを行う職責者だ。CSAJによれば、7月に開催した際は、ITベンダーの法務担当者が多く受講したが、「実際にユーザー企業へ営業する担当者へ波及させたい」と考えており、営業担当者やプロジェクトマネージャー(PM)など、ユーザー企業と交渉する担当者の受講率を高めたいという。

 日本情報システムユーザー協会が2008年に実施した調査によれば、22%のユーザー企業で一部またはほとんどでシステム取引の「もめ事」が発生していた。モデル契約は、契約書を交わさず、システム開発しユーザー企業の意に添わないシステムが多発することで、不満が増している状況を改善し、IT業界の健全な発展を期す狙いで策定されたものである。(谷畑良胤)