PCなどのIT機器を電話やインターネットを通じて直接販売する「デルモデル」をビジネスの軸に据えてきたデルだが、ここにきて、SIerなどの販売パートナーを介した間接販売に力を入れている。ターゲットは、従業員数500人までの中堅・中小企業(SMB)。日本のSMBは、IT機器導入の可否を判断できるIT担当者がいない企業が多く、これまでの直販モデルでは獲得しにくい顧客だった。2009年2月から、デルの日本法人で日本と韓国のSMB事業を担当するケビン・オケイン統括本部長に、対SMB戦略を聞いた。

――間接販売体制への投資を拡大させている。その内容は。

 これまでも長年にわたって間接販売に力を入れてきているが、直販事業に比べると割合が少なく、投資すべきだったのに投資しなかった部分もあった。それを見直し、拡大に踏み切った。具体的な施策としては、今年中に新たに約60人を採用し、SMB事業部の人員体制を強化する。強い体制で販売パートナーとの関係を深めながら、顧客がどのようなニーズを抱えているか、しっかりと把握していきたい。 

ケビン・オケイン 執行役員 北アジア地域SMB 統括本部長

――今後、販売パートナーの数は増やしていくのか。

 現在、約800社の販売パートナーがおり、この数を大幅に増加させるつもりはない。数を増やすより、関係の“質”が重要だ。現在のパートナーとの関係を、いかに深めることができるかがポイントだと考えている。例えば、いうまでもないが、パートナーが当社商品をSMBに提案するときは、商品の特徴や導入のメリットをよく把握したうえで提案することが必要だ。そのために、パートナーに当社商品をさらに深く理解してもらう活動に力を注いでいく。

――SMBの獲得に向けて、どのように他社との差異化を図るのか。

 顧客企業に対しては、当社は「長期的に付加価値を提供できるパートナーである」と訴求している。製品を販売して終わるのではなく、長期にわたって顧客のニーズに応える包括的なソリューションを提案していく。これによって、顧客企業にとって必要不可欠なパートナーの立場を築いていきたい。

――韓国では、どのような戦略を採っているのか。

 日本と同様、SMBの事業拡大に力を注いでいる。韓国のSMB市場は日本と比べまだ規模が小さいが、成長が日本より速く、今後の開拓のポテンシャルは大きいとみている。韓国法人のSMB事業部は、現在、約100人の人員を擁している。日本の5分の1程度だが、これからの市場成長の見込みからすれば、人員強化を考える必要もあるだろう。販売パートナーとの関係強化や企業ニーズの把握など、日本で培ったノウハウを韓国で生かしていきたい。

(ゼンフ ミシャ)