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<インタビュー>中国ビジネスを加速させるアスプローバの挑戦

2010/10/25 10:17

 生産スケジューリングシステム「Asprova」を開発・販売するアスプローバ。日本と韓国、中国、ドイツ、米国の5拠点体制を敷き、日本に次いで売り上げに最も貢献しているのが中国だ。「国内ビジネスは不調というわけではないが伸びる見込みがない。国内は現状を維持しつつ、海外事業に注力していきたい」。藤井賢一郎・上海法人総経理/日本本社副社長が週刊BCNの取材に応じ、盛り上がりをみせる中国ビジネスについて語った。

――アスプローバの中国ビジネスの現状を教えてほしい。

 中国に進出しても、日系企業だけをターゲットにしていたら数が限られる。相当な数の地場企業にも、拡販していくことが重要だ。2008年度は、日系企業に約20ライセンスを販売し、約6000万円を売り上げた。09年度は、日系企業への販売実績がなかった一方で、地場企業に約50ライセンスを販売した。廉価版が中心だったうえ、回収できていない分があって、実質は約2500万円の売り上げだったが。今年度は3000万円以上の売り上げを目指したい。

――どのようなユーザーが多いのか。

 民間企業が中心で、中国政府が投資しているエネルギー・環境業界が一番多い。以下、自動車部品メーカー、家電部品メーカーと続く。変わり種としては、国営の軍需工場がある。「Asprova」を販売している武漢の地場系パートナーが、自社ブランドで納入した。軍隊や中央政府出身の社員が多数在籍するベンダーだからか、国営企業の案件を採ってくる。ただ、回収率は極めて低い。民間企業のほうがまだいい。

――ユーザーの規模は。

 従業員数でいうと、地場企業は数万人クラス規模が中心で、日系企業は数千人クラス。地場企業は、同業他社が成功すると口コミで評判が広がるということだ。例えば、導入にとても苦労した事例があったが、グループ企業にも横展開して、そこから電力会社を紹介してもらった。

――販売チャネルの整備はどのようなかたちで行っているのか。

 10年前に北京に進出し、5年前に上海にオフィスを移転するまでは、ユーザーは日系企業ばかりで、パートナーも日系企業が中心だった。昨年は、「地場企業に販売しないと生き残れない」と危機感を抱き、地場のパートナー経由の販売を強化した。現在、パートナー20社のうち、10社が地場パートナーだ。ホームページにユーザーから問い合わせがあり、代理店に動いてもらうケースが多い。

――地場企業を取り込むためのポイントは。

 日系企業向けと地場企業向けで、訴求するライセンス価格を分けたことがプラスに働いている。日系企業には480万円の「Asprova MS」を販売し、地場企業には機能を絞った240万円の「Asprova MS Light」を販売している。今後は数百人規模の企業にも提案活動を広げていきたい。日系企業にも「Asprova MS Light」を販売することになるだろう。ただ、その規模になると、まだまだ生産管理システムの導入が進んでいない。魅力的な市場だが、そう簡単には入り込めない。

――地場企業に導入が進んでいる生産管理システムは。

 大手ではSAP。もう少し規模が小さくなると、中国の独立ソフトベンダー、用友の導入が進んでいる印象がある。ただし、用友は生産スケジューラを導入してもうまく動かない問題が生じると聞いたことがある。

――生産管理システムをSaaS提供しようとする動きが出始めているが……。

 SaaS型の生産管理システムは、正直いって使えないと思う。日本の工場ではカスタマイズが入るし、中国では相当指導しないと動かない。ユーザーは、値段が安いから妥協するということはない。

藤井賢一郎・上海法人総経理/日本本社副社長
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外部リンク

アスプローバ=http://www.asprova.jp/