大和総研(深井崇史社長)とシトリックス・システムズ・ジャパン(マイケルキング社長)は、大和総研の中国でのオフショア開発に、シトリックスのデスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化を組み合わせた「ハイブリッド構成」によるクライアント仮想化ソリューションが導入されたことを発表した。

 大和総研は、オフショア開発を行うクライアント約800台が稼働する環境に、デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化によるクライアント仮想化ソリューションを導入した。中国の開発拠点で2010年1月に導入が始まり、計800台の仮想クライアント環境が3月末から本格的に稼働している。

 システムは、大和総研のインターナルクラウド上にすべて仮想化して展開し、高可用性と無駄の排除を目標とした「全体最適化」と「クラウド仕様でのインフラ標準化」を掲げた。さらに、データを国内のサーバーに集約することで、開発案件の機密保護や漏えい防止などのセキュリティ対策を実施するとともに、約20種類のデスクトップグループと約70種類のアプリケーションを仮想化。開発系やOA系で使用されているアプリケーションの可視化をこれまで以上に進めることで、「ワールドワイドのITガバナンス」を目指した。

 検証は、他社のクライアント仮想化ソリューションや「Citrix XenDesktop」のアプリケーション仮想化機能「Citrix XenApp」を中心に実施した。シトリックス独自の通信プロトコル「Citrix ICA(Independent Computing Architecture)」を核とする「Citrix HDX(High Definition eXperience)テクノロジー」によって、低帯域でもストレスなく、パフォーマンスにすぐれた仮想化ソリューションが構築できることに加え、ICA専用のゲートウェイソフトウェアを用いたSSLによる通信経路の暗号化の有効性が実証されたことが、シトリックスのクライアント仮想化ソリューションの採用につながったという。

 導入の検討は、2010年7月に開始。最初の導入先に中国のオフショア開発環境を選んだ理由は、広帯域(ブロードバンド)ネットワークが十分に普及していない低帯域ネットワーク環境下で、クライアント仮想化ソリューションの性能や安全性を確認できれば、国内・海外拠点でも同様に有効であると考えたからだ。また、重い負荷のかかる開発系でも操作性に問題がなければ、どのアプリケーションでもユーザーの使用感を損ねることなく活用できるとも考えた。

 今後は、国内の各拠点やニアショア開発拠点、アジアを中心とした他の海外開発拠点を対象に、4000台規模で全社展開していく方針。(信澤健太)