デル(ジム・メリット社長)は、6月22日に記者会見を開催し、7月1日付で代表取締役社長に就く郡信一郎氏が今後の事業戦略を説明した。

 郡氏は、1969年、東京都生まれの42歳。91年に横河メディカルシステム(現GEヘルスケア・ジャパン)に入社した。98年にハーバード大学経営学修士号を取得後、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン(現ブーズ・アンド・カンパニー)に移籍。その後、サイエントを経て、04年4月にデルに入社し、マーケティング・ディレクター、公共営業本部長、執行役員を経て、11年2月から営業統括本部長を務めている。

 郡氏は、「ジムが5年半でデルジャパンを成長させ、その後に社長に就くことに大きな責任を感じているし、(社長として仕事ができることに)感謝している」と述べた。そのうえで、2010年に発表したデルが力を注ぐ三つの戦略を改めて説明した。 

7月1日付で新社長に就任する郡信一郎氏

 「『ソリューション』『バリュー・チェーン』『イー・デル(eDell)』が軸。ソリューションはパソコン、データセンター、クラウドの三分野に向けたソリューション事業の強化、バリュー・チェーンは柔軟で効率的な製品供給の仕組み、イー・デルは直販の強化やソーシャルメディアの積極活用などを意味している」と説明した。とくにソリューション事業には強い意気込みを示し、「デルがソリューションを提供できるということをもっと広く知ってもらいたい」と話した。

 また、「あるユーザー企業の幹部から『他社がアジア市場で中国とインドに投資しているのに対し、デルは日本に継続投資してくれている』と言われた。今後もデルは日本への投資を継続する」と約束した。

 一方、郡氏とともに会見に登場したジム・メリット社長は、社長在任期間を振り返り、自身の成果に言及。まずサポートサービスを挙げ、「クライアント、エンタープライズ製品を問わず、サポートサービス力は上がった。その理由は、宮崎県にカスタマーセンターを立ち上げたことだ。日本のユーザーのサポート品質に対する期待値は高いが、要求に応えられる水準に到達させることができた。今では、宮崎のカスタマーセンターのスタッフは650人にまで増えている」と話した。 

7月1日付で米本社のラージエンタープライズ事業グローバルセールス部門のプレジデントに就くジム・メリット社長

 また、収益力のアップについては、「シェアを追い求めていた戦略を転換し、収益性にこだわってきた。デルジャパンの収益は、全世界のなかでもトップ。ストレージやサービスを拡大できたことが、高収益体質を築くことができた要因だ」と説明した。

 郡氏ついては「私が日本に来たときから、ずっと私をサポートしてくれた。非常に広範な経験とノウハウをもっている。次の変革に向けてリードする力があると信じている」と紹介した。

 デルは、6月13日に今回のトップ人事を発表。7月1日付で郡氏がデルの社長に就き、現社長のジム・メリット氏が、米デルの公共およびラージエンタープライズ事業グローバルセールス部門のプレジデントに就くことを公表していた。(木村剛士)