IT機器・サービスを販売するSIerが主な会員の日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA、大塚裕司会長)は、メンバー企業向け情報提供の一環で、節電に関するイベントを6月9日に開いた。福島第一原子力発電所の稼働停止を受け、今夏の電力供給不足が深刻化する可能性が高い。JCSSAは、社会貢献として、電力消費量が多いIT機器を販売する企業に対して節電を呼びかけた。

節電の協力を求めた東京電力の天野稔・システム企画部長
SMBのBCPに対する取り組みなどを話した日経BP社の藤田憲治・パソコン局長
 JCSSAが毎年この時期に開催するイベント「サマーセミナー」では、今回、節電がテーマとされた。IT産業には、IT機器の消費電力削減対策が求められており、他の産業よりも節電に貢献できる範囲が広いことから、節電を題材にしたという。

 冒頭、東京電力の天野稔・システム企画部長が登壇し、「原発事故でみなさまにご迷惑をおかけし、申し訳ございません。被災者の方々に心からお見舞いとお悔やみを申し上げます」とお詫びの挨拶をした。その後、「節電に日々協力していただいているが、夏場は電力需要が高まるので、さらに節電をお願いしなければならない。とくにオフィスの節電が重要で、IT・OA機器の消費電力削減が重要になる。みなさまのお力をお借りしたい」と話した。

 その後、日経BP社の藤田憲治・パソコン局長が、中堅・中小企業(SMB)1000社に対して実施した独自アンケート調査を紹介。速報値として456社の調査結果を、事業継続計画(BCP)やディザスタ・リカバリ(DR)を中心に説明した。

 調査によれば、BCPを「以前から策定済み」「昨年策定」と回答した企業は35.9%で、過半数以上のSMBがBCPを策定していないことがわかった。また、BCP対策を施している企業でも「UPS(無停電電源装置)の導入にとどまるケースが多い」(藤田局長)としており、SMBのBCPがぜい弱であることを印象づけた。さらに、事業の継続に必要だと思う施策については、「非常時における行動ルールやマニュアルの見直し/作成」が最も多かった。藤田局長は、「50年、100年がたった時、日本はあの震災を経験したから、こんな素晴らしいシステムがあると世界に評価されるようにならなければいけない。それが今のIT業界人の役目」と強調した。(木村剛士)