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<特集>急成長続ける中国市場を狙え! 奮闘する日系ベンダーの活動を追う

2011/07/28 10:33

週刊BCN 2011年07月25日vol.1392掲載

 中国情報サービスの市場規模は、米国、EUに次ぐ世界第3位のポジションにまで拡大している。年率30%超えの驚異的な成長を遂げ、その規模はすでに日本を上回る。日系ITベンダーは、中国市場への進出を積極的に展開しており、データセンター(DC)やBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)、遠隔運用センターなどさまざまな設備投資を加速させている。本紙第二部では、現地取材を通じて日系ITベンダーの活躍ぶりに迫った。

 週刊BCNは、東アジアの情報サービス市場を特集する特別号を季刊で発行する。2011年の第1号目となる今号では、中国や台湾で活躍する日系ITベンダーを取材した。今後は9月、12月、2012年3月をめどに現地取材をベースとしたレポート特集を組む予定である。とりわけ中国IT市場は勢いよく伸びており、2010年の中国ソフトウェア業と情報サービス業の売り上げは前年比34.0%増の1兆3364億元(約16兆4200億円)に到達。2011年も昨年同様の高い伸び率になる見込みだ。

 日系ITベンダーは、二十年来のオフショアソフト開発で培った人脈を中国にもっている。日本のオフショア開発の約8割を中国に発注しており、日本のシステム開発に精通した中国地場有力SIerや人材が中国に数多くいることを意味している。また、台湾にもハードウェアやソフトウェアの開発で歩調を合わせられるビジネスパートナーに恵まれ、日本と中国、台湾のそれぞれのSIerがともに連携し、中国の情報サービス市場でビジネスを伸ばす取り組みも拡大している。

 今回の特集では、中国市場に進出する日系ITベンダーやSIerの最新動向、台湾を絡めたビジネスモデルの構築、日系SIerと深いつながりがある大連の情報サービス産業、コンシューマ向けビジネスなどについてレポートする。さらに、中国ビジネスに深く関わるキーパーソンのインタビューも収録した。

 週刊BCN編集部は、天津DCを活用したサービスを軌道に乗せたTISをはじめ、沿海地区の主要都市に4拠点を展開するJBCCホールディングスグループ、日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA、大塚裕司会長)が7月7日~9日にかけて実施した中国IT企業視察団に同行するかたちで富士通(中国)を取材。日系SIerからみた中国情報サービス市場の今に迫った。

 また、日系ITベンダーと深い関わりがある大連のソフトウェア産業にもフォーカスするとともに、台湾のソフトベンダーがもつ中国市場での販売チャネルに乗せるかたちで、日本のソフトベンダーの製品を売る取り組みについても探った。中国市場への進出度合いを深める台湾ベンダーと組むのは日本のベンダーにとってメリットが大きい。中国ビジネスの現状や課題を浮き彫りにする。
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