ニュース
イースト、電子書籍「EPUB3コンテスト」優秀作品4点を公開
2011/08/04 10:33
「epubcafe」は、総務省の「新ICT利活用サービス創出支援事業」(電子出版環境整備事業)で、「EPUB日本語拡張仕様策定」を推進し、その成果を公開しているポータルサイト。
イーストは、MicrosoftのWindows Azureを活用し、EPUB3に対応したEPUBファイル生成クラウドサービス「epubpack」を今年6月にスタートするなど、EPUBやクラウドビジネスに積極的に取り組んでいる。下川社長は、「Windowsサーバーとインターネットを組み合わせたAzureをベースとしたビジネスを拡大させる」としており、EPUB事業をこのビジネスの主要コンテンツの一つと位置づけている。
「epubcafe」で公開している受賞4作品は以下の通り。
(1)村田真賞 ごんぎつね 川幡太一氏
朗読とテキストをSMILで連動させ、読上げ部分が自動ハイライトする。テキストの任意の個所の読上げも可能。ブラウザで実装されていないインターフェイスはスクリプトで補うかたちで実現している。
(2)ユーザ賞 涼州詞 小川真樹氏
漢詩を原文、書き下し文、繁体中国語、簡体中国語などさまざまな方法で記述した作品。とくにマークアップの確立していない漢文訓読を表現するための試行錯誤を評価する。他にもピンインによるルビ、縦横の混在するテキスト、割注など短い文書の中にさまざまな試みを行った。
(3)OnDeck賞 OnDeckインタビュー記事 大西 隆氏
メディアクエリを利用して、デバイスの縦幅に応じた複数レイアウトを実現した作品。縦書きで制作された記事と横書きで制作された記事がある。それぞれのレイアウトが読みやすくつくられており、雑誌としての表現に可能性を感じた。
(4)epubcafe賞 珈琲新聞 Yuki.M氏
HTMLとCSSで、複雑なレイアウトをもつ新聞の紙面を表現。固定レイアウトで、EPUBの特徴であるリフローに対応したつくりではないものの、縦書き、段組、ウェブフォント、SVGなど、EPUB3の新しい表現を多く用いて作成したデザインは本格的なもの。
(安藤章司)
- 1
関連記事
イースト、電子書籍の最新規格、EPUB3.0対応のEPUBファイル生成クラウドサービスをAzureで公開
<BOOK REVIEW>『電子書籍の時代は本当に来るのか』
スキャナ市場の活況に拍車がかかる 電子書籍の「自炊」ブームが後押し