さくらインターネット(田中邦裕社長)は、11月15日、北海道石狩市に完成し、同日稼働したデータセンター(DC)「石狩データセンター」の開所式を開催した。

 石狩DCは、1棟あたり最大500ラックまで収納できる分棟式の建物を最大8棟、4000ラックまで増設できる総建築費用は約32億円の大型DC。建物は地上2階建て、延床面積は1万1392m2。サーバーから出る熱の冷却に北海道の気候を利用した外気冷房を利用することで電力消費を抑え、空調コストを約4割削減している。基幹ネットワークであるバックボーンネットワークの回線容量は、244Gbps。開所時には2棟を建設し、サーバラックを200本設置。15日に、このDCを活用したクラウドサービス「さくらのクラウド」を開始した。

「クラウドに最適化した」という石狩DC。開所式当日の天気は、晴れたり吹雪いたりの荒れ模様。田中社長は「いきなり石狩の洗礼を受けた」と笑顔を混じえながら話した

 開所式の挨拶で、田中社長は大型DCの建設に踏み切った理由を「東京と大阪にDCを設置し、ビジネスが拡大するごとにその都度増設してきた。だが、賃料が上がり、運用スタッフの確保も難しくなって、一気に増設ができる郊外型の大型DCを建設しようと考えた」と述べた。

開所式で挨拶する田中社長

 そのうえで、「石狩以外にも7~8か所を検討し、実際に3か所は視察した。もともと災害を受けにくいことから、北海道に着目していた。石狩市は交通の便がいいというメリットがあるが、決め手になったのは地元のみなさんの協力だ。石狩市の田岡(克介)市長は、最初の視察のときから積極的に誘ってくれた。全国を行脚して、この土地に決めた」と、石狩市の積極的な誘致活動が最終的な判断につながったとした。

取材に応じる田中社長。IT専門媒体の記者だけでなく、テレビや地元新聞記者も集まった

 さくらインターネットが石狩市にDCを設置したことで、「同業者から視察依頼を多く受けているし、地元のみなさんの話では、ITベンダーがこのあたりの土地を視察しに来ていると聞いている。われわれが無事に稼働させたことで、同業者も郊外型DCの建設に、動き始めているのだろう」と田中社長は話している。

 石狩DCの建設計画は約2年前にスタートし、09年12月に初視察。10年6月に建設を発表し、今年3月に着工して、11月15日の開所に至ったもの。田中社長は、約2年で建設できたスケジュールにも自信を示していた。施工者は大成建設で、開所式には多田博是副社長が参加した。

 開所式には、このほか高橋はるみ北海道知事、野原直彦経済産業振興局局長、田岡克介石狩市長などが参加。式典には100人以上の関係者が集い、地元の関係者が今回のDC建設を歓迎している印象を強く残した。(木村剛士)

開所式で行ったテープカット。左から大成建設の多田副社長、高橋北海道知事、さくらインターネットの田中社長、田岡石狩市長

鏡開きを行う関係者。左から大成建設の多田副社長、野原北海道経済部産業振興局局長、さくらインターネットの田中社長、田岡石狩市長

100人以上の関係者が詰めかけ開所を祝った