IDC Japan(竹内正人代表取締役)は、5月に実施したユーザー動向調査「国内クラウド市場調査 2011年」の結果を発表した。それによると、パブリッククラウドを理解(「良く理解している」「概ね理解している」の合計)する企業は約40%だった。また、パブリッククラウドを認知する(「良く理解している」「概ね理解している」「なんとなく分かる」の合計)企業でのクラウド利用率は、SaaSが23.6%、PaaS/IaaSが13.8%だった。

 国内企業のパブリッククラウドに対する印象は、セキュリティに対する懸念を除いて、肯定的な意見が多くなっていることがわかった。なかでも、「コスト」「迅速性」「拡張性」に対する評価が高くなっている。これらの項目は、クラウド事業者が利点として訴求している内容であり、企業はその優位性を評価しているといえる。一方、セキュリティに関しては、SaaSやパブリッククラウドが登場したときから議論になっている課題だが、懸念は払拭されていない。

 IDC Japanは、国内SaaS市場では、2010年に「認知度の普及」から「ベンダー間の差別化」へとベンダーの課題が変わったとする。また、国内PaaS/IaaS市場では、2011年にSaaSと同様の変化が起きると予測している。これは、漠然とした啓発(優位性の訴求)から具体的な提案へとベンダーの活動が変わることを意味するという。松本聡ITサービスグループリサーチマネージャーは、「具体的な提案では、なぜそれが実現可能なのか、簡単かつ納得感のある説明がベンダーに求められる。また、パブリッククラウドでは低価格性が必須条件で、可視化できる付加価値によって差異化を図る必要がある」と分析している。(信澤健太)

配備モデル別クラウドの認知度

パブリッククラウドの印象