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「DISわぁるど in 北九州」で公共・医療向けソリューションを多数展示、DIS推奨のコラボレーション製品も多彩

2012/11/22 20:11

 ダイワボウ情報システム(DIS、野上義博社長)は、11月20、21の両日、福岡県北九州市の西日本総合展示場で、7月の札幌開催に続く二度目のプライベートイベント「DISわぁるど in 北九州」を開催した。展示ブースでは、DISと取引のあるハードウェア、ソフトウェアメーカー製品と販売会社でコラボレーションした安価なパッケージや、官公庁・自治体、文教など、地域の特性に応じた多彩な製品・サービスを紹介していた。

販売会社に「売る力」を植えつける

 DISの安永達哉専務取締役は2日間の開催について、「上々の集客ができ、地元販売会社にもご満足いただけた。今年度(2013年3月期)は、大型展示の『DISわぁるど』から各拠点ベースで開催するミニセミナーまで、300回の開催を目指している」と今回のイベントを評価するとともに、多彩な商材が揃う一方、二次店である販売会社の「売る力」をつけるセミナーを徹底して実施する方針を語った。

 日本IBMブースでは、中堅・中小企業(SMB)向けにサーバーなどを使ってDISの取引メーカーが協業してパッケージ化したオールインワン型仮想化サーバー「DIS Easy Virtual Package(EVPP)」を展示。EVPPは、仮想化されたアプリケーション・サーバーを簡単に短期間で構築・導入するするために、サーバーや仮想化ソフト、国内の代表的なアプリケーションをまとめたDISと日本IBMのオリジナルパッケージだ。 

DISと日本IBMでコラボした「EVPP」向けアプリは現在も増殖中

 ブース内では、台湾のITベンダーであるソフトネクストがメール製品「Mail Archiving Expert」を展示。担当者によれば、関税法の改正で海外取引のある会社は電子メールを5年間保存がしなければならないが、この製品はバックアップに加え、高速検索を可能にしているという。また、IBMのサーバーを使ってWindows、Linux、UNIXのどのOS環境でも、1台のサーバーで動かせるようにした。こうしたEVPP対応のアプリケーションはいまも増殖中で、ワークフローや勤怠管理、会計、グループウェア、セキュリティ、資産管理など、国内メジャーの製品が増え続けている。

自治体・文教向けグラフィック製品を訴求

入口付近には三菱電機の四面ディスプレイ

 グラフィック・プリンティングゾーンでは、デジタルサイネージや電子黒板、サービスを付加したプリンタなど、自治体や文教向けなどに適した製品を多数展示していた。このうち三菱電機は入口近くにブースを構え、液晶四面マルチディスプレイや店舗などで使う小型サイネージを展示。担当者によれば、ディスプレイは警察や消防署の司令室などの監視用として使われるケースが多く、こうしたバックオフィスも含め、三菱電機はトータルなソリューションを提案できるという。また、小型の「カンタンサイネージ」は、コンテンツを入れたSDカードを挿入するだけでサイネージとして使用できる製品で、「買ってすぐに使えるので、参加者の多くから引き合いをいただいた」という。

 シャープは、法人向けではイチ押しのタッチディスプレイ「BIG PAD」の70インチと80インチの製品を並べていた。画面に資料や映像などを映し出し、タッチペンで自由に書き込みができ、移動・再編集・消去なども簡単。文教や病院などの公共関係に多く採用されていて、このほど徳島県の中学校が電子黒板の用途で133台を一斉導入したという。 

シャープは70/80型の「BIG PAD」をアピール

 また「BIG PAD」は、最近は病院での利用が増えているようで、例えば患者の医療計画を複数人で検討する際にレントゲン写真を写し出すなどの用途に使われているという。「地域に来ると『BIG PAD』がまだ知られていない。今回はいい機会になった」と担当者は話す。シャープは、このほか業務用途のプラズマクラスター機器や家庭用のリチウムイオン蓄電池を紹介していた。

 プリンタメーカーのOKIデータは、他社にないサービスである「5年間無償保証」と「メンテナンス品5年間無償提供」をアピールしていた。とくに自治体の文教案件などでは、プリンタ入札に際して保守料金を入れられないという声があり、北九州でも自治体関係者や自治体向けに販売展開するITベンダーに「手離れがいい」と好評だったという。「初日だけで、事務機ディーラーを中心に地元の127社・団体と名刺交換できた」と、新たなチャネル獲得に弾みがついたようだ。このほか、新製品のA3カラーとA3モノクロのLED(発光ダイオード)プリンタを展示していた。

 リコーは、超至近投写に対応するモバイル型の超短焦点プロジェクタ「IPSiO PJ WX」シリーズを中心にアピールしていた。「一般オフィスだけでなく、最近ではこのプロジェクタの多彩な利用方法をユーザーや販売会社から提案を受けるケースが増えた」という。イベントでも、新しい利用方法に関する相談が相次いだという。リコーは、このほかジャルジェット(インクジェット)方式の小型プリンタ複合機「IPSiO SG 3100SF」などを展示。レーザー方式だけでなく、インクジェット方式でも小型・多機能製品を揃えていることを訴求していた。

未設置のユーザーに簡単仮想化が多く出展

 ストレージ・仮想化ゾーンでは、角地の好立地にラネクシーがブースを構えていた。昨年6月に他のベンダーから引き受けた簡単運用が売りのバックアップソフト「SHADOWPROTECT4」を展示。今回、ブースではこのソフトを使ったBCP(事業継続計画)やDR(ディザスタ・リカバリ)の用途での利用をアピール。利用することで、本社から別の拠点やデータセンターなど遠隔地へ自動バックアップをすることができることを説明していたが、「福岡県の企業に話を聞くと、災害対策などが進んでいない印象だった」と、この地域での販売に意欲を示していた。

 ストレージ・仮想化ゾーンでは、このほかネットワールドがサーバーや仮想化ソフト、ストレージの冗長化などを組み込んだ構築と保守をワンパッケージにし、簡単に導入できるデスクトップ仮想化(VDI)、検証済VDIオールインワンパッケージ「Networld VDX」の説明を積極的に行っていた。担当者によれば、このイベントでは「デスクトップ仮想化を知らないユーザーや販売会社が多くいた。そうした方々に納得していただきけるいいPRができた」という。ネットワールドのVDIは、中小企業向けから500台程度の大型案件までを網羅することを訴求し、いい感触を得たようだ。

 オムロンは、「Windows Server Hyper-V」で仮想化した仮想化サーバー用のシャットダウンソフト「Power Act Pro」とUPSを組み合わせた環境を紹介していた。「日本マイクロソフトの力を借りて、競合他社のUPSを組み合わせるのに比べて格安で提供できる」とアピール。15万円程度の価格差があることを、資料をもとに説明していた。ストレージ・仮想化ゾーンでは、これ以外にも、災害対策や仮想環境を簡単に構築するソリューションを多く展示していた。

Windows 8とServer 2012に関心が集まる

デルは公共向けIT基盤ソリューションなどを訴求。コンパニオンを展示ブースに立たせるなど集客に力が入っていた

 PC・サーバーゾーンでは、前回の札幌で初出展したデルを含め、各メーカーがマイクロソフトの新サーバーOS「Windows Server 2012」や「Windows 8」搭載のPCなどを展示していた。このうちデルは、開催地区のITベンダーの多くが手がける公共向けとして「公共機関向けIT基盤ソリューション」を提案していた。仮想化ソリューションやシステム管理ソリューション、無線LANソリューションなどがこのなかに含まれる。安価で簡単にパフォーマンスの高い基盤が構築できることをアピールしていた。 

インテルのブースには複数メーカーのウルトラブックが並んだ

 インテルは、前回の札幌に続いて、業務環境を抜本的に改革できることを売りにウルトラブックをずらりと並べ、各メーカー製品の特徴を説明していた。担当者によれば、「店頭市場で『ウルトラブック』はこれからだが、法人向けでは引き合いが多い。このイベントでは、ソニーやパナソニックのPCが注目を集めていた」という。

 パソコンメーカーのほかに、ATENがデータセンターからホームPC環境までの用途で使える多彩なKNMソリューションを提案していたほか、日本マイクロソフトが「Windows 8」と「次期Office」、クラウドサービスで実現する新しいワーキングスタイルを説明していた。(谷畑良胤)
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外部リンク

ダイワボウ情報システム=http://www.pc-daiwabo.co.jp/