日本のITベンダー向けオフショア開発を手がけるベトナム本社のユニバーサルテクノロジーサービスコーポレーション(UTS、玉井節朗社長)が営業活動を開始した。中国やインドに比べてソフト開発者が安価で優秀な人材を確保しやすいベトナムの長所を生かして、日本のソフト開発・SIの一部を請け負う。すでに米国のIT企業向けに同様のビジネスを展開しており、次に需要が期待できる国として日本を選んで本格展開する。

ウイリアム・
H・グエン
会長
 UTSは、ホーチミン市の本社にベトナム人の開発者を組織し、日本のITベンダーの開発の一部を請け負うオフショア開発企業。資本金は1億円で、今年6月1日に設立された。ウイリアム・H・グエン会長は、UTS設立前の2006年に、米国のIT企業向けにオフショア開発を手がけるユニバーサルソフトウェアサービスコーポレーション(USS)を設立した。シスコシステムズやシマンテックなど、大手のITベンダーを顧客にして、オフショア開発事業を軌道に乗せた。今回、米国に次ぐオフショア開発の需要が日本にあると判断し、UTSを設立した。UTSは、自社で開発者を抱えているが、案件の増加状況に合わせてUSSの開発リソースも使う。

 強みにするのは、低コストと技術力で、グエン会長はとくに技術力を訴える。「私はベトナムのコンピュータサイエンス系の大学教授を兼務しているので、優秀な学生を採用しやすい。ベトナムでは、今、1万人程度のソフト開発者がいて、ソフト開発に精通した大学生が毎年500人ほど卒業する。UTS・USSは、卒業生のなかから優秀な人材を選りすぐって組織化しており、低コストだけでなく不採算案件を起こさない技術力が武器」と話す。

玉井節朗
社長
 グエン会長は、USSとUTSの設立に関わり、トップを務めながら、ほかのITベンダーの設立にも携わっている。ベトナム言語に特化した検索エンジンを開発するVieticaやエンタテインメント系コンテンツのポータルサイト「ROLO」なども手がけてきた。

 USSおよびUTSのソフト開発者数は約100人程度だが、「1年以内に10倍の1000人にする」(グエン会長)。営業展開にあたり、玉井社長は「直接営業するだけでなく、現在は日本に拠点がないので、代理店をいくつか設けてベトナムのオフショア開発に興味をもつユーザーを紹介してもらうような仕組みを考えている」という。(木村剛士)