富士通マーケティング(FJM、生貝健二社長)は、2011年度から、サッカーJ1川崎フロンターレのオフィシャルスポンサーを務めている。法人向けのITソリューションベンダーであるFJMが、クラブを支援する狙いはどこにあるのか。

今シーズン、FJMがマッチスポンサーを務めたエキサイトマッチは「多摩川クラシコ」

 FJMが川崎フロンターレへの協賛を開始したきっかけは、前身の富士通ビジネスシステム(FJB)が、富士通グループのSMBビジネスを統括し、富士通パートナーの支援も担うFJMとして生まれ変わったことにある。同社のコーポレートコミュニケーションを統括する木村清孝・執行役員経営戦略本部長は、「以前からFJBに在籍していた人、富士通から異動してきた人などが協力してミッションを果たすためには、社内の一体感を強めるための活動が必要だと考えた」と話す。FJMがフロンターレのオフィシャルスポンサーとして活動する一番の狙いは、従業員はもちろん、まずはその家族にFJMという社名を認知してもらい、従業員一人ひとりがその一員として、誇りをもって働ける環境をつくることにある。そして、パートナー、顧客、一般の市民にもFJMを認知してもらうという、企業のブランド価値向上も図っている。

 具体的な活動としては、等々力陸上競技場で行われるホームゲームのチケットを、毎試合、顧客優先で配布し、残った分は従業員に無料配布しているほか、アウェーゲームのチケットは試合が行われる地域の支社・支店に勤務する従業員に配布している。さらに、年に1回、「エキサイトマッチ」と銘打ってホームゲームを主催し、従業員やパートナー、顧客を招待している。今年の「エキサイトマッチ」は、8月10日の対FC東京戦、通称「多摩川クラシコ」だったが、FJM関係者は過去最高の900人超が集まった。

 一方で、FJMはフロンターレへの支援を通じて、地域へのCSR活動も積極的に展開している。フロンターレの地元である川崎市の社会福祉協議会と、FJMの本社がある文京区の小中学校にもチケットを提供しており、川崎市社会福祉協議会からは感謝状も贈られている。フロンターレ側も、「クラブの理念である『スポーツ文化の振興およびスポーツによる地域社会への貢献』をよくご理解いただき、CSR活動を通して川崎の地域社会貢献活動にも積極的に寄与してもらっている」と、高く評価している。

川崎市社会福祉協議会の飯田嘉徳・事務局長(右)から感謝状を授与される木村清孝・執行役員経営戦略本部長

 FJMとしても、「チケットの申込み数も増え、フロンターレへの支援を通じて社内の一体感が醸成されてきている。パートナーや顧客の認知度も着実に広がっている」(木村執行役員)と、スポンサー活動の効果を実感している様子だ。(本多和幸)