東京大学附属図書館(古田元夫館長)と京セラコミュニケーションシステム(KCCS、佐々木節夫社長)、京セラ丸善システムインテグレーション(辻上友祥社長)は、10月3日、研究・教育分野での電子学術書の活用を目指して、10月に実証実験を開始すると発表した。

 東京大学が推進する「新図書館計画」では、本郷キャンパス総合図書館の大幅拡充を行う一方で、研究・教育分野での電子学術書活用の新たなモデルとして、電子書籍と紙書籍とを統合的に相互利用できるハイブリッド図書館の実現を目指している。電子学術書の利用実験は、附属図書館で実施される全学自由研究ゼミナール「未来の書物の未来」の授業で行う。

 KCCSグループは、教師・学生間で電子学術書への書込み・読書体験を共有する機能や、外部の知識ネットワークとの連携など、授業や学術研究を支援する仕組みを新たに開発し、次世代の電子図書館サービスとして「BookLooper」を提供する。実際の授業で利用するのは、かつて東京大学で教鞭をとった南原繁氏の著書や丸山眞男氏の講義録など10冊余りで、東京大学出版会が提供する。学生や教員は、他の電子図書約1000冊とともに、PCやタブレット端末で活用していく。

 三者はこの実験を通して人文社会系分野での電子学術書の利用モデルを確立していくとともに、電子図書館と知識を体系化・見える化する仕組みや、東京大学の集合知を使った書評・レコメンドシステムとを有効に連携させるなど、研究・教育分野での電子学術書活用を目指す。