BCN(佐藤敏明社長)は、10月30日、IT製品・ソリューションの販社やシステムインテグレータ(SIer)を対象とするセミナー「BCN カンファレンス 2013」を、宮城県仙台市で開催した。

ネットコマースの斎藤昌義・代表取締役CEO

 冒頭、ネットコマースの斎藤昌義代表取締役CEOが、「クラウド+1のシナリオ 地元だからできるポストSI時代のビジネス戦略」と題して、システムインテグレーション(SI)の将来の姿について基調講演を行った。

 「10年後、従来型のSIはなくなる」「人月ビジネスは崩壊し、新しい常識への転換が求められる」。斎藤CEOは、クラウドやモバイルの登場によって、SIerのビジネスモデルの見直しが必要と説明。「クラウド時代のSIビジネスは、クラウドのメリットを最大限に生かして高速開発を実現し、開発と運用の一体化によって、開発したシステムをすぐにデプロイメントする『つくらないシステムインテグレーション』へのシフトが求められる」と訴えた。

 斎藤CEOは、「『つくらないシステムインテグレーション』は、案件の売上規模が下がる。しかし、生産性の向上によって原価を下げ、案件の数をこなせば、売り上げの減少を補い、利益率を高めることができる」と述べて、「サービス」をキーワードとしたSIを展開し、新しい収益モデルの採用に乗り出す重要性を訴求した。

キヤノンソフトウェア ソリューション企画部の高橋嘉文部長

 最初のセッションでは、キヤノンソフトウェア ソリューション事業本部 事業企画本部 ソリューション企画部の高橋嘉文部長が登壇。「ビジネスアプリ開発のコストを大幅ダウン! WEBアプリ100%自動生成ツールのご紹介」と題して、ソフトウェア開発の生産性向上をテーマに語った。

 高橋部長は、ユーザー企業やSIerに提供するウェブアプリケーション開発の自動化ツール「Web Performer」を紹介。「大手をはじめ、全国で250社の企業に使われている。今年1月に、スマートフォンやタブレットなど、モバイル端末から利用するウェブアプリケーションの自動生成に対応させ、機能の進化に取り組んでいる」と語り、デモンストレーションで「Web Performer」の使いやすさをアピールした。

NTT東日本ソリューションエンジニアリング部 ビジネスソリューション部門の秦泉寺浩史部門長

 続いて、東日本電信電話(NTT東日本)ビジネス&オフィス営業推進本部 ソリューションエンジニアリング部 ビジネスソリューション部門の秦泉寺浩史部門長は、「NTT東日本のクラウドパートナー(SIer)戦略」と題して、クラウド商材やSIerとの協業モデルを紹介した。

 NTT東日本は、クラウドの活用を検討しているユーザー企業やSIerに向けて、クラウドの構築に必要なネットワークインフラをはじめ、データセンター(DC)を使ったハウジングとホスティング、さらにSaaS型のサービスを提供し、各レイヤでクラウド商材を展開している。今秋には宮城DCを開設し、東北地区でサービスの提案に力を入れる。

 「当社のサービスを使えば、SIerの方々はユーザー企業に対して、オンプレミス型の既存システムをクラウド化する提案ができる。ぜひ当社との協業を検討していただきたい」(秦泉寺部門長)と訴えた。

データ・アプリケーション 営業本部 セールスコンサルグループの中井基雄コンサルタント

 次に、データ・アプリケーション(DAL)営業本部 セールスコンサルグループの中井基雄コンサルタントは、「“部分最適”から“全体最適”の提案に変わる EDI視点で俯瞰するデータ連係の現状・課題と解決策」について語った。EDI(Electronic Data Interchange:企業間連携)は、企業間で情報を電子的に交換する仕組み。データ・アプリケーションは、EDIパッケージの開発と販売を手がけている。

 中井コンサルタントは、「従来型EDI、次世代EDI、ウェブEDIの共存と統合を実現し、先方で選択できるような環境をつくることがSIerの腕の見せどころ」と、SIerへの期待感を述べた。

サイエンティアの荒井秀和社長(左)と『週刊BCN』の木村剛士編集長

 最後に、人材管理システムを提供するサイエンティア(仙台本社)の荒井秀和社長と『週刊BCN』の木村剛士編集長が、「仙台で全国展開に成功した秘訣」について対談した。

 もともとソフトウェアの受託開発を展開してきたサイエンティアは、1991年のバブル崩壊をきっかけにソリューション開発に舵を切り、首都圏や関西地区を中心に、ビジネス領域を宮城県の外に広げた。多業種のユーザー企業や大学を開拓して、現在はユーザー企業の約90%が県外だという。近年は、商材のクラウド型展開に力を注いでいる。

 荒井社長は、「ビジネスを伸ばすために、ユーザーのIT予算が足りなくても案件を実現する『勝負をかける』精神、お客様のネームバリューを使ってお客様に営業していただく『強力な応援者』、ユーザーのニーズに精通して先方に対等に接する『語れる営業とシステムエンジニア(SI)』の三つがカギを握る」と、成功要因を語った。(ゼンフ ミシャ)