セキュリティメーカーのチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(チェック・ポイント、本富顕弘社長)は、中堅・中小企業(SMB)の市場開拓を目指して、販売パートナーとのエコシステムづくりを急いでいる。パートナーごとに事業計画を策定するなど、支援策を強化してきめ細かくサポートすることによって、販売の活性化を図る。3年後をめどに、売上高の倍増を掲げている。

 イスラエルに本社を置く同社の2012年度のグローバル売上高は約1300億円。そのうち日本ビジネスの比率は数%だという。同社はここ数年、米国やヨーロッパなどの市場で、ファイアウォールのハードウェアに独自のソフトウェアを盛り込み、情報システムを統合的に保護する「次世代ファイアウォール」の展開に力を入れ、売り上げを伸ばした。一方、日本では「次世代ファイアウォールをこれまでうまく提案することができなかった」(本富社長)ために、売れ行きが鈍っている模様だ。

 その打開策として、SMB向けの製品展開に本腰を入れていく。今年8月にトップに就任した本富社長の下、アプライアンスの運用・管理を手がけるマネージド・サービス・プロバイダ(MSP)と組んで、「サービス」を切り口としてSMB市場の開拓を進めている。MSPに対してアプライアンスを月額課金のレンタル方式で提供し、MSP各社が自社ブランドでユーザー企業に売り込むことができる。その施策によって、チェック・ポイントのブランドが浸透していないSMBユーザーの獲得を狙う。

 これまで同社は大手企業向けの製品展開がメインで、大手国産メーカー系のほか、NTTグループなどを販売パートナーに育ててきた。今回、MSPの新規獲得に動くことによって、販売体制を強化する。MSPとともに、一定の期間にトラフィックを分析し、「ボットが見つかった」などとセキュリティリスクを指摘するレポートをユーザー企業に提供し、商談に導き出すための接点づくりとして活用する。

 本富社長は、「ハードルが高いとは思っていない。パートナーとの新しいエコシステムを築けば、売上倍増の目標は必ず達成できる」と自信をみせる。(ゼンフ ミシャ)

経営者の素顔にスポット

本富顕弘 社長
──カントリーマネージャーとしてのミッションは?

本富 本社が掲げる数字目標をクリアするほか、本社に日本市場のニーズを“売り込む”ことも私の仕事です。コミュニケーションを密に取って、こちらの要望を明確に示すようにしています。本社はイスラエルにあって時間差があるので、夜のニュース番組を見ながら、電話会議で話を詰めます。

──どう納得させますか。

本富 英語でコミュニケーションを行いますが、お互い、母語ではないので、言語で負けることはない。鍵は、ゴールを明言することです。「こうやりたい」だけではなく、「それによって、この結果を出す」とコミットして、本社を納得させます。

──社内はどう変えましたか。

本富 案件管理を週次の更新に切り替え、スピード感を高めるようにしています。どんな小さなことでもいいので、結果を迅速に報告するよう、営業現場に指示を出しました。NGも一つの結果です。NGに備えて、常にバックアップのプランをもつことの重要性を社員に訴えています。